柴田文江デザインの美しきリモコン、地デジ版SPIDER PRO(1/9 ページ)

» 2011年05月17日 21時17分 公開
[林信行,エキサイトイズム]
エキサイトイズム

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※この記事は、エキサイトイズムより転載しています。


 放送局や広告代理店で「テレビとの関わり方が根本から変わる」と話題になっていた「SPIDER PRO」という製品がある。2010年から、その「SPIDER PRO」の地上デジタル放送対応版の開発が始まり、2011年5月23日に発売される。昨年末に行われた発表会では、本体は見せず女性デザイナーが手掛けたというリモコンだけが披露され、これが話題となった。

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 女性デザイナーは柴田文江氏だった。柴田氏は子供向け携帯電話やZOJIRUSHIの「ZUTTO」シリーズに加え、最近では京都のカプセルホテル「9h(ナインアワーズ)」やデジタルサイネージと融合した次世代型新飲料自販機などを手掛けて大きな話題となり、Gマークの審査員にも就任している。今回、その柴田氏とSPIDER PROの生みの親、PTP代表取締役の有吉昌康氏に地デジ版SPIDER PRO誕生までのいきさつや、そこに込められた考えを聞いた。

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柴田さんの「テレビ嫌い」を変えた製品

――秘密にされていた女性デザイナーはやはり柴田文江さんだったんですね

有吉 そうなんです。発表会で「デザイナーはどなたですか?」と聞かれて「柴田文江さんです」の一言で終わりにはしたくなかった。そこで、ちょっともったいをつけてみました。改めて発表することで、分かる人なら「おー!」とうならせるニュースになるはずなので。でも、最初、女性のデザイナーに依頼すると言ったら社内はみんな驚いていました(笑)。レコーダーを始めとしてAV機器はマニアックで男性のものみたいなイメージがありますが、私はそれに対して違和感がありました。

 われわれは、テレビやレコーダーを本質的に変えたいと思っています。柴田さんは、プロダクトのカタチではなくて、本質の部分でどうあるべきかというところで僕らにない視点を持っていらっしゃいます。そこに加えて女性であるという視点もある。

 それに女性が気に入ってくれるモノじゃないといけないというのがあった。何故なら、テレビは万人が使うモノでSPIDERの利用時間は女性の方が圧倒的に長い。それなのに、SPIDERの前モデルはネイルをしている女性から、ボタンが押せないと言われていたんです。やわらかいラバーのようなリモコンボタンをギュッと押し込めないんですね。そんなところから女性的な視点が必要かなと思っていた部分もあります。ただ、そうしたことよりも何よりも、まずは僕自身が柴田さんのファンだったというのもあります(笑)。

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