「日本売り」の流れもあって冴えない展開清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2011年05月17日 16時03分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

市況概況

日経平均 9567.02円 △8.72円
売買高 18億8282万株
売買代金 1兆2741億8500万円
値上がり銘柄 613銘柄
値下がり銘柄 910銘柄
騰落レシオ 86.40% △3.45%

日経平均

米国株安や原子力発電所事故拡大懸念など懸念材料も多く「日本売り」の流れもあって冴えない展開

 米国株が軟調となったことや原子力発電所事故が拡大しそうな様相となったことに加え、世界の株式運用の指標とされる指数に採用されている日本株が大量に採用除外となると発表されたこともあり、売り先行となりました。それでも、外国人売買動向(市場筋推計、外資系9社ベース)が買い越しと伝えられたことや米国株安の要因の一つであるIMF(国際通貨基金)専務理事逮捕のニュースは日本市場ではすでに織り込まれていることなどもあり、底堅い展開となりました。

 後場も底堅さを確認、売り一巡感からの買い戻しが入り指数は堅調となる場面もありました。ただ、「日本売り」の様相が続いていることや原子力発電所事故の話題も次に何が出て来るのかと言う懸念などもあって積極的に買い上がるような動きに乏しく、好決算ながらも売られ過ぎた銘柄などに堅調なものが見られ、値動きの良い小型銘柄が幕間つなぎ的に買われて指数を下支えしたものの冴えない展開は続きました。電力株などは終始冴えない動きとなり、機械株は堅調なものが多かったのですがハイテク株は円安の割に上値が重く、自動車株は冴えない動きとなるなど円安への反応も鈍く指数は冴えない展開となりました。

 小型銘柄も軟調なものが多かったのですが、売られ過ぎた感のあるインターネット関連銘柄などに値ごろ感からの買いが入り堅調なものも散見されました。ただ指数は東証マザーズ指数、日経ジャスダック平均、ジャスダックTOP20と揃って軟調となりました。先物はまとまった売り買いは散発的に見られ、その都度指数が振らされる場面はあるものの、断続的な動きにはならず大きく方向感を出すようなこともありませんでした。

 決算発表も出揃ってきたのですが原子力発電所事故の状況がこれまで伝えられていたようなことと違う面もあり、海外要因なども懸念材料が多く、積極的に買い上がるエネルギーに乏しいということでしょう。毎年米国でも「5月に株を売れ」と言われるように冴えない展開となることも多く、欧州金融不安や新興国のインフレ懸念、そして米国のQE2(量的緩和)終了後の資金動向、リスク許容度の状況などの懸念が薄れ、日本でも原子力発電所問題に解決のめどが立つまでは買い難い状況が続くのではないかと思います。ただ、好調な決算を続ける企業も多く、そうした「良い銘柄」をしっかりと注目しておけば良いと思います。

テクニカル分析

日経平均

 雲にサポートされた格好となりましたが、遅行線は日々線に押さえられて上値も限られました。ストキャスティックスは底値圏になって来たのですがRSIはまだ下落が始まったばかりであり、下値余地も大きく、方向感に乏しい展開が続きそうです。雲に絡みながら遅行線が日々線の押されながらもみ合いの中で調整となるのではないかと思います。

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