コラム
» 2011年05月17日 08時00分 UPDATE

売り込まず、お客をファンにする方法:営業マンはモノを売る前に、“先生”になるべき (1/3)

「モノが売れなくて困っている」という営業も多いだろう。そうした人は発想を変えて、顧客に情報を提供してみてはいかがだろうか。こうした活動を継続していけば、新たな顧客をつくることができるかもしれない。

[安東邦彦(ブレインマークス),Business Media 誠]

安東邦彦(あんどう・くにひこ)のプロフィール

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1970年、大阪府茨木市生まれ。24歳で通信販売会社を起業し成長させたのち、ITベンチャーの立ち上げに参画。同社では、取締役として営業部門の仕組みづくりを確立。その後、営業コンサルティング会社、株式会社ブレインマークスを設立。

マーケティングに関するノウハウを追及し続け、これまでに行ったセミナーの数は1000回を超える。プロセスマネジメント財団認定コンサルタントであり、企業のブランド化、営業の組織化を提唱している。著書に『営業のミカタ』がある。


 連載の第1回「ムダな営業をしていませんか? 売り込まず、お客をファンにする方法」では、消費者の具体的な「購買行動の変化」について考察し、もはや営業マンが主導した「販売の時代」は終わり、消費者が主導権を握る「購買の時代」になったことをお伝えしました。

 だからこそ、これからの時代に求められる営業は、売るテクニックを磨くのではなく、長期的な視点に立った「顧客づくり」に主眼を置いたアプローチである、としたわけです。

 その「顧客づくり」を実現するために効果的な取り組みが、今回ご紹介する「情報提供」です。なぜ情報提供の取り組みが「顧客づくり」に効果があるかというと、情報提供が営業マンのポジションを変えてくれるから。営業マンが単に商品を売る人から、その商品の背景や業界全体の専門家、つまりは「先生」にポジションを移すことで、初めて本当の顧客はつくられるのです。

 私は以前、水道関係の設備工事の仕事をしていたことがあります。水回りの修理や改修でお客さまの自宅を訪問すると、その機会に水道関連の質問を受けることがたびたびでした。それは当日の工事内容に直接関わりのないものも多く、日頃から疑問に思っていた事柄をここぞとばかりにぶつけてくる感じでした。

 自分にとってごく当たり前の知識が、お客さまにとっては大きな疑問であったことに驚きながらも、1つ1つ丁寧に答えていきました。すると不思議なことに、思わぬ大口契約が突然に舞い込むという経験を何度もしたのです。

 そのとき私は、お客さまは、売りたいという“下心”の見え隠れする営業マンよりも、求めるアドバイスをしてくれる専門家を信頼することに気付きました。そして両者を分けるのは、「顧客にとって有益」な情報を提供できるかどうかの違いに他なりません。

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