コラム
» 2011年05月16日 08時00分 UPDATE

藤田正美の時事日想:東京電力は“潰せない企業”なのか (1/3)

福島第1原子力発電所の事故で“四面楚歌”の状況に陥っている東京電力。これだけ大きな事故を起こしながらも「東電は地域にとって必要だ」といった声がある。果たして東電は“潰せない企業”なのだろうか。

[藤田正美,Business Media 誠]

著者プロフィール:藤田正美

「ニューズウィーク日本版」元編集長。東京大学経済学部卒業後、「週刊東洋経済」の記者・編集者として14年間の経験を積む。1985年に「よりグローバルな視点」を求めて「ニューズウィーク日本版」創刊プロジェクトに参加。1994年〜2000年に同誌編集長、2001年〜2004年3月に同誌編集主幹を勤める。2004年4月からはフリーランスとして、インターネットを中心にコラムを執筆するほか、テレビにコメンテーターとして出演。ブログ「藤田正美の世の中まるごと“Observer”


 福島第1原子力発電所の事故で“四面楚歌”の状況に陥っている東京電力。損害賠償が少なくとも数兆円にのぼることを見越して、賠償額に上限を設けるよう要請したほか、賠償について政府支援を求めている。必死の企業防衛だが、世間の目は冷たい。会長以下常務以上の取締役は、報酬を半減するとしていたことにも批判を浴びてとうとう代表取締役は当分の間、報酬全額を返上するところまで追い込まれてしまった

 当初、東電は原賠法(原子力損害の賠償に関する法律)の免責条件「異常に巨大な天災地変または社会的動乱」に該当すると考えていたようだ。それが適用されれば、原子力事業者(東電)の無過失・無限責任から逃れることができるから、企業としての負担は事実上なくなる。ただこの方向はかなり早い段階で首相官邸からつぶされていた。今回の大震災は「異常に巨大」ではないと一蹴されてしまったのである。

yd_touden1.jpg 福島第1原発(出典:東京電力)
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