売り先行、戻りきらずに売り直されて大幅下落清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2011年05月12日 15時53分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

市況概況

日経平均 9716.65円 ▼147.61円
売買高 20億1489万株
売買代金 1兆3986億6400万円
値上がり銘柄 299銘柄
値下がり銘柄 1242銘柄
騰落レシオ 84.08% △0.54%

日経平均

米国株安やユーロ安などを嫌気して売り先行、戻りきらずに売り直されて大幅下落

 米国株が大幅安となったことや商品相場やユーロも軟調となったことから信用収縮懸念も強まり売り先行となりました。外国人売買動向(市場筋推計、外資系9社ベース)が売り越しと伝えられたこことも寄り付きから売り急ぐ動きとなりました。それでも主力大型株の一角が好決算に反応して買われ堅調となったことで指数も下げ渋り、戻りを試す動きも見られました。ただ、買い戻し一巡後は積極的に買い上がる動きも限定的となり、軟調な展開が続きました。

 後場に入って上値の重さが確認されると目先筋の手仕舞い売りや明日の先物・オプションのSQ(特別清算指数)算出を控えて手仕舞い売りが持高調整の売りもあり大幅下落となりました。日経平均は節目と見られる9800円を割り込み改めて上値の重さを確認するような格好となりました。主力銘柄の決算発表や見通しを見て大震災からの早期の回復が期待される一方で、見通しの不透明さなどを嫌気する動きもあり、最後まで買い切れないと言う感じでした。

 小型銘柄は幕間つなぎ的に好決算銘柄や代替エネルギー関連など堅調なものも見られるのですが、指数を押し上げるような動きに乏しく、主力銘柄ほどではないにしろ冴えない展開となるものが目立ちました。東証マザーズ指数は大幅下落、日経ジャスダック平均は軟調、ジャスダックTOP20は小幅高と指数はまちまちとなりました。先物は朝方はまとまった買いも散発的に見られ指数を押し戻す場面もあったのですが、引けを意識する時間帯になると見切り売りやヘッジ売りと見られるまとまった売りもあって逆に指数を押し下げるような動きとなりました。

 足元の決算は比較的堅調なものが多く、大震災からの回復も早くなりそうな感じです。ただ、政策を含めて、先行きに対する見通しが立て難く、復興や復活を目指すにも今一つ方向感と方策に欠けるという感じです。復興の資金需要に対しどのようにして資金を用意するのか、サプライチェーンの回復に関しての政策や方針も見えず、税制の方向感すら見えない状況では企業の業績をどのように回復していくのかの手立ても取れないいう状況ではないかと思います。原子力発電所問題なども含めて、政策や復興に対する方針が見えるまでは目先的な幕間つなぎや需給動向、決算発表などの材料に反応し右往左往することになるのでしょう。

テクニカル分析

日経平均

 大幅下落となりましたが、基準線にサポートされて下げ止まった格好です。遅行線も日々線にサポートされており、この水準で底堅さが見られるかもしれません。ただ、RSIは方向感はなく、ストキャスティックスは下落が続いており、遅行線が日々線にサポートされながら日々線は基準線を下回り、雲のサポートを確認するような場面もあるのではないかと思います。

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