セイコーウオッチ、独自解釈のミニッツリピーターを完成

» 2011年05月12日 00時48分 公開
[岡田大助,Business Media 誠]
クレドール クレドール ノード スプリングドライブ ミニッツリピーター(Photo by 山形豪)

 セイコーウオッチは、バーゼルワールド2011会場で、「クレドール」ブランドの高級複雑時計「ノード スプリングドライブ ミニッツリピーター」を発表した。12月下旬に発売予定で、価格は3465万円。

 130周年を記念するセイコーのコンプリケーションウオッチは、3大複雑機構の1つ「ミニッツリピーター」を、同社独自の駆動機構「スプリングドライブ」に搭載したものだった。8時位置のボタンを押すと、内蔵された2つのハンマーが音色の異なる2種類のゴング(鐘)を打ち、そのリズムと音色の組み合わせで現在時刻を知らせる。この音色はクレドールのWebサイトで聞くことができる。

 ムーブメントは、660点以上の部品からなる112石の「スプリングドライブ キャリバー7R11」。巻上げ方式は手巻きで、時間精度は平均月差±15秒。時計機構とミニッツリピーター機構の動力源を共通化し、72時間のパワーリザーブ(ミニッツリピーター機構不使用時)を実現した。また、ムーブメントを密封し、外側にゴングを設置する二重構造ケースを採用し、ムーブメント部に水分が入り込まない構造とした。

クレドール (出典:セイコーウオッチ)

 裏蓋はシースルーバックになっており、ミニッツリピーターを作動させるとハンマーの動きを見ることができる。ケースには18金ピンクゴールドを、バンドにはクロコダイルを使い、ケースサイズは42.8×14ミリ(外径×厚さ)。

クレドール (出典:セイコーウオッチ)

 ゴングを鍛造したのは、鍛冶師で明珍家第52代当主の明珍宗理(みょうちんむねみち)氏。鎌倉時代から続く明珍家は、江戸時代には姫路藩主酒井家のお抱え甲冑師として甲冑を作り、明治維新以降は火箸作りに転じた。現在では兵庫県の伝統工芸品に指定されている明珍火箸を用いた火箸風鈴も有名となっている。

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