石巻市街から雄勝に向かった筆者は、震災、特に巨大津波が残した生々しく、残酷な傷跡をつぶさに見た。だが、雄勝地域では、傷跡どころではなく、津波の暴力とでも言うべきすさまじい破壊力を見せつけられた。大自然の脅威におびえつつ、雄勝町の中心部から、水浜地区までたどり着いた。
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大川小学校近くの集落から、筆者は釜谷トンネルを抜け、一路雄勝町へ急いだ。峠道は所々で陥没し、地割れが目立った。自衛隊や地元業者が懸命の復旧作業の真っ最中だった。
峠道が下りに差し掛かると、筆者はまた息をのんだ。雄勝町の中心部が見え始めたからだ。自衛隊の車両、宮城県警のパトカーが頻繁に行き交う中心部で、筆者は路肩にクルマを停め、周囲を見回した。
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