偽iPad 2の完成度に満足した筆者。こうなると次に気になるのは、ほかの人に見せた時の反応である。そこで、昨年やったように偽iPad 2を使いながら山手線を周回し、突っ込まれるかどうか確かめてみることにした。
実験を行ったのは、ゴールデンウイーク最終日の5月8日。13時半、都区内フリーきっぷを手に秋葉原駅から山手線外回りに乗車。空いていた中央の席に座る。真面目そうな人が偽iPad 2を持っている方がシュールなのではないかと思い、服装はスーツとネクタイ。いわゆるギャップ萌え狙いだ。
車内で何をして過ごそうかと悩んだのだが、結局、最近ハマっている『Dungeon Raid』というパズル系ゲームアプリで遊ぶことにする。見た目は堅そうにしていても、隙を見せることで突っ込みやすくする高等戦略である。
しかし、品川、渋谷、新宿、池袋と回り、秋葉原に戻ってきても、周囲からのアクションはない。品川で乗ってきた学生風の男性が筆者の偽iPad 2をちらっと見た後、猛烈にメールを打ち始めたのだが、その内容が偽iPad 2と関係あるかどうかは謎である。
2周目、3周目に入っても、状況は変わらず。くしゃみをする振りをして「ハ、ハ、ファイパッド!」とさりげなくアピールする手段も頭をよぎったのだが、筆者はどちらかというと恥も外聞もある方なので自重することにした。
4周したところでバッテリーが10%まで減ったので、チャレンジは断念。昨年は5周しても30%残っていたので、1年でバッテリー持続時間はかなり減るものである。横やりなしにやり込めたため、『Dungeon Raid』のハイスコアは更新できたのだが、偽iPad 2への反応は残念ながらまったくなかった。
「僕なら隣に座った人が偽iPad 2を使っていたら即座に突っ込むのになあ」と思っていたのだが、世の中そういう文化が主流ではないようである。iPad 2の形が認知されていないからか、できが良くて偽iPad 2だと分からなかったからか、東京の鉄道では車内で話しかけてはいけないという不文律があるからか、筆者の人間性に難があるからかは分からないが、実験は失敗に終わった。まあ、最後の理由が正解でないことだけは祈りたいところである。
ちなみに、週明けに社内の打ち合わせで同僚に見せると、失笑ぎみではあったがそれなりにウケた。初対面の話題作りのために名刺に工夫をする企業も多いと聞くが、その代わりに偽iPad 2をおもむろに出してみてもインパクトがあっていいかもしれない。発売から1カ月くらいはネタとして通用するのではないだろうか。
iPad Smart Coverはちょっと高いのだが、それ以外の工作に必要な費用は500円ほど。約4500円でiPad 2を手に入れた(気分になれる)計算だ。ビニールテープも簡単に外せるので、気軽に試していただきたい。そして、もし電車で使っている場面を筆者が見つけたなら、謹んで「なんでやねん!」と突っ込ませていただきたいと思う。
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