ミクシィ、2011年3月期は増収増益

» 2011年05月10日 18時39分 公開
[Business Media 誠]
ミクシィの笠原健治社長

 Facebookとの差別化戦略はありますか? 記者からの質問に対し、ミクシィの笠原健治社長は「差別化していくというよりも、mixiが持っているコンセプトや方向性を進めていきたい。例えばよりクローズな路線もある。親しい友人との心地のよいコミュニケーションをもつことが、mixiのコンセプト。そのコアな部分は引き続き推進していく」と語った。

 ミクシィは5月10日、2011年3月期の連結決算を発表した。売上高は前年同期比24.1%増の168.7億円、営業利益は22.5%増の33.7億円。交流サイト「mixi」の月間ログインユーザー数が初めて1500万人(3月)を超えたほか、企業による広告収入が順調に推移し、増収増益となった。

 また笠原社長は「ソーシャルネットワーキングサービスは今後も伸びていく」と見ており、収益の拡大を見込んでいる。東日本大震災の影響を受け、広告市場の不透明さが残るものの、2012年3月期の売上高は前期比12.6〜21.5%増の190億〜205億円。純利益は同19.4〜37.4%増の16.5億〜19億円の見通しを示した。

大震災の影響

 東日本大震災の影響はどのくらいあったのだろうか。「一部の広告についてはmixi側からストップをかけた。金額にして数千万円。また3月末の予算消化的な広告を獲得することはできず、その影響は4月も続いたが、金額は2億〜3億円ほどにとどまった。5月に入りやや戻りつつあるが、本調子に戻るにはまだ時間がかかるだろう」(小泉文明取締役)と見ている。

 その一方、震災後、ユーザー数と投稿数は大幅に伸ばした(関連記事)。震災が起きた3月11日の「mixiボイス」(つぶやきサービス)の投稿数を見ると、地震発生前の11時〜12時に比べ発生後の16時〜17時は約8倍に拡大。震災以降の1日当たりの利用者は増えており、「友人と安否を確認したり、コミュニティで震災情報を得たのではないか」(小泉取締役)と分析した。

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