国会乱闘はメディアもグルのヤラセ!? 杉村太蔵氏が発言(1/2 ページ)

» 2011年05月10日 08時00分 公開
[中村修治,INSIGHT NOW!]
INSIGHT NOW!

著者プロフィール:中村修治(なかむら・しゅうじ)

有限会社ペーパーカンパニー、株式会社キナックスホールディングスの代表取締役社長。昭和30年代後半、近江商人発祥の地で産まれる。立命館大学経済学部を卒業後、大手プロダクションへ入社。1994年に、企画会社ペーパーカンパニーを設立する。その後、年間150本近い企画書を夜な夜な書く生活を続けるうちに覚醒。たくさんの広告代理店やたくさんの企業の皆様と酔狂な関係を築き、皆様のお陰を持ちまして、現在に至る。そんな「全身企画屋」である。


 ゴールデンウイークの中日である5月4日。深夜のバラエティ番組で小泉チルドレンの元衆議院議員・杉村太蔵氏が爆弾発言をしていた。「議員生活4年の任期の中で、一番びっくりしたこと」という出来事が、国会の中継で良く見かける強行裁決時の与野党入り乱れる乱闘風景なのだという。それは、メディアもグルになった「ヤラセ」だというのだ。

1.誰がマイクを奪い、誰がガードに入るかという役割が決定されている

2.強行採決の時間は、アナウンスなどで事前通告されている

3.マスコミ各社のカメラはすでにスタンバイされている

4.良い絵が撮れたのを見計らって「終了」のアナウンスが流れる

5.そして、乱闘していた与野党の議員が「ハイ、ちゃんちゃん。お疲れさまぁ」と散会する

 学芸会並みの先生方の下手な芝居に対して……以前からWikipediaなどでは「与野党が対立する法案にあって、どうしても妥協点が見出せない場合、ギリギリの落としどころとして、強行採決が選択される。与党は法案を可決させるという“実”を取り、野党側は『体を張ってこの法案を阻止しようとした』という姿を国民にアピールする“名”を取る。その意味では、与党が野党の顔を立てたものとも言える」と、その実態が暴かれていた。

 日本の国会の強行採決は、多くの場合は事前に与党側から野党側やマスメディアへ通告されることが慣例となっている。抜き打ちではないため、純粋な意味での強行採決ではなく、議員のパフォーマンスなのである。その実態を、元衆議院議員の口から、マスメディアを通して世間にお披露目されたこと自体に、日本の政治のたがが外れてきたことを感じる。

 戦後、自民党が築いた55年体制の中で、唯一野党がマスコミに担がれる舞台が「強行採決の茶番」なのだ。政権交代のなかった国対政治の中での必要不可欠な日本的慣習だったのだ。その実態が、政権交代とともに、こうしてマスコミからも暴かれていく。それも、東日本大震災で浮き足立つ中で、自民党のおとがめも強制もない元衆議院議員の口から……。

 国会中継ではいつも、官僚の作った原稿を議員が読み上げるだけの映像が流れる。必死に答弁をしているかと思えば、それは実はあらかじめ決められた質問であり、答えである。与野党激突の唯一の見せ場である「強行採決」自体も、やらせである。ハイ、ちゃんちゃんである。あまりにも、バカらしいっ。

 元総理大臣・小泉純一郎氏は、「自民党をぶっ壊す」と言った。そのチルドレンである杉村太蔵氏のこの暴露は、国対政治が劇場政治になっていたことの終演を告げる。自民党がぶっ壊れるとともに、こういう茶番にも、終止符が打たれて良い。その終止符を、小泉チルドレンが打つと想定していたとしたら、やっぱり恐るべし小泉純一郎である。

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