原子力発電所停止の影響を懸念して軟調清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2011年05月09日 16時06分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

市況概況

日経平均 9794.38円 ▼64.82円
売買高 16億9876万株
売買代金 1兆2076億1800万円
値上がり銘柄 524銘柄
値下がり銘柄 968銘柄
騰落レシオ 90.48% ▼1.36%

日経平均

米穀株高や為替の落ち着きも見られるが原子力発電所停止の影響を懸念して軟調

 先週末の米国市場が堅調となったことや為替が落ち着いていたこともあり、買い先行となりました。週末のヘッジ売りの買い戻しも入ったものと思われます。外国人売買動向(市場筋推計、外資系9社ベース)が買い越しと伝えられたこともあり買い戻しを急ぐ動きもあったようです。ただ、寄り付きの買いが一巡となると、原子力発電所停止要請の影響、電力不足が懸念されて売られる銘柄などもあり、指数も軟調となりました。売り急ぐ動きはないものの幕間つなぎ的に節電関連銘柄や復興需要が期待される銘柄は買われるものの、相場全体をけん引するような動きはなく、冴えない展開となりました。

 後場も軟調なまま方向感に乏しい展開となりました。決算発表に反応して一喜一憂するものもあるのですが、先行きに対する懸念も根強く、じっくりと買い上がるというよりは早めに利益を確保、損失を確定するような動きが多く、相場全体の方向感に乏しい状況でした。値動きの良い銘柄に買いは集まるものの物色対象に広がりは見られず、底堅いながらもじりじりと値を消すような展開となりました。

 小型銘柄もまちまち、方向感に乏し展開となりました。東証マザーズ指数はほぼ横ばいとなり、日経ジャスダック平均やジャスダックTOP20は堅調となりましたが、物色対象が絞り切れておらず、売り物の多寡で高安決まったような感じです。先物もまとまった売り買いはほとんど見られず、まとまった売りが出て指数を押し下げる場面もあったのですが、追随して下値を売り急ぐと言うこともなく、先筋の持高調整や小口の小掬い商いが中心となっており、指数を方向付けるような動きはありませんでした。

 相変わらず方向感に乏しい展開となっています。本来であれば週末の下落の反動から底堅い堅調な展開も期待されたのですが、政府の原子力発電所停止要請が相場の足を引っ張った格好となりました。あまりにも唐突な要請であり、相変わらず政府の無策ぶり、行き当たりばったりの後手後手の政策に振り回されている格好です。復興に対する道筋を見出し、今後の原子力発電所の動向、電力供給の問題を含めて総合的な判断、方向性を示すことが必要と言うことでしょう。そうした政策の方向性が見えるまではあくまでも目先的な株価の動向にすがるしかなく、積極的な投資をするような状況にはならず、指数の方向感も見えにくいと思います。

テクニカル分析

日経平均

 先週末とほぼ同じような値幅での動きとなり、引き続き9800円〜900円水準の下値固めか抵抗に押されているのかを試す動きとなっているようです。一難去ってまた一難と言うことでもないのでしょうが、また新たな原子力発電所の問題が出てきて方向感を掴みかねていることがチャート上でも表れているということでしょう。もうしばらくは9800円〜900円を抜けるのか割り込むのかに注目する動きが続きそうです。

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