コラム
» 2011年05月09日 08時00分 UPDATE

藤田正美の時事日想:米国経済には3つの問題がある (1/2)

英エコノミスト最新号(4月30日号)が、「米国経済はどこが問題なのか?」という特集を組んでいる。米国経済に関する数字をみると、それほど悪くはないが、どこに問題があるのだろうか。

[藤田正美,Business Media 誠]

著者プロフィール:藤田正美

「ニューズウィーク日本版」元編集長。東京大学経済学部卒業後、「週刊東洋経済」の記者・編集者として14年間の経験を積む。1985年に「よりグローバルな視点」を求めて「ニューズウィーク日本版」創刊プロジェクトに参加。1994年〜2000年に同誌編集長、2001年〜2004年3月に同誌編集主幹を勤める。2004年4月からはフリーランスとして、インターネットを中心にコラムを執筆するほか、テレビにコメンテーターとして出演。ブログ「藤田正美の世の中まるごと“Observer”


 2012年は米国の大統領選挙の年だ。オバマ大統領は再出馬を表明し、早々とキャンペーンも始めた。来年と言っても、大統領選挙は11月だからまだ1年半近くもある。かつてないほどの草の根組織をつくると言っているので、それなりに時間もかかるのだろうが、それだけではあるまい。米国の経済が思うように回復しなければ、再選も危うい。だからこそ共和党の指名レースに出馬する候補に先んじてスタートしたかったんだと思う。

米国経済には3つの問題がある

 その米国経済について英エコノミスト最新号(4月30日号)が、「米国経済はどこが問題なのか?」という特集を組んでいる(参照リンク)。しかし米国の失業率はずいぶん下がり、今年3月は久々に9%を切った。FRB(米連邦準備理事会)は、4月のFOMC(公開市場委員会)でゼロ金利は維持するとしたものの、いわゆる量的緩和は終了することを決定した。つまりは少なくともある程度の景気回復を中央銀行が認めたということである。

 しかしエコノミスト誌は米国経済には問題が3つあると指摘する。しかもその問題には、オバマ大統領だけでなく政治家が取り組んでいないとしている。第1は米国経済を成長させるためのイノベーション、第2は実態を表していない財政赤字の数字、そして第3は労働市場だ。

 同誌が最大のリスクと指摘するのがこの労働市場である。「最近の失業率の低下はミスリーディング。仕事を求める人があきらめたために労働市場への参入が少なかった」ことが大きな理由であるという。失業者の46%(約600万人)は半年以上失業している。景気回復の足取りが遅いことも挙げられるが、米国も欧州病にかかったのではないかと思える徴候がある。病気の名は「構造的失業症候群」である。

       1|2 次のページへ

Copyright© 2016 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

Loading

注目のテーマ