帝国データバンクは5月6日、「東日本大震災関連倒産の動向調査」を発表した。それによると、東日本大震災の影響を受けた倒産は、4月30日時点で66社(負債総額371億300万円)で、震災後約1カ月半で22社の倒産が判明した阪神・淡路大震災の3倍となっていることが分かった。
倒産企業を都道府県別に見ると、最も多いのは北海道と東京都で7社。以下、群馬県が6社、福島県が5社と続いた。震災被害の大きさに比べて、岩手県(2件)や宮城県(3件)、福島県(5件)の3県の倒産数はそれほど多くないが、帝国データバンクでは「震災の被害が甚大で、被災企業の実態把握が困難を極めていることが影響している。実質倒産状態の企業は多数あることが推測されるが、経営者が日々の生活に追われ、資金的な問題などから倒産手続きの準備すらできない企業も少なくないとみられる」と分析している。
倒産パターンでは、得意先や仕入先が被災した影響などによる「間接被害型倒産」が90.9%と、会社建物や工場設備などに甚大な被害を受けたことによる「直接被害型倒産」の9.1%を大きく上回った。
間接被害型倒産のうちわけを詳しく見ると、最も多かったのは「消費自粛のあおり」で30.3%。以下、「得意先被災などによる売り上げ減少」が24.2%、「仕入先被災などによる調達難」が16.7%、「親会社に連鎖」が10.6%で続いた。
今後、震災被害が大きかった地域での倒産が増えていくと推測される。「阪神・淡路大震災後の3年間で関連倒産が394社(負債総額1126億円)判明したが、今回は早期にこの数字を大きく上回る可能性が高い。今後はサプライチェーン寸断の影響で全国にある自動車関連の下請部品メーカーのほか、自粛のあおりでゴールデンウイークの集客ができなかったレジャー・観光関連業者の倒産増が懸念される」(帝国データバンク)。
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