コラム
» 2011年05月06日 08時00分 UPDATE

吉田典史の時事日想:震災直後の、学校の対応は適切だったのか (1/4)

東日本大震災の発生を受け、宮城県石巻市にある大川小学校は甚大な被害を受けた。津波が押し寄せ、全校児童の7割が死亡または行方不明の状態だ。避難する際、学校のとった行動に誤りはなかったのだろうか。

[吉田典史,Business Media 誠]

著者プロフィール:吉田典史(よしだ・のりふみ)

1967年、岐阜県大垣市生まれ。2005年よりフリー。主に、経営、経済分野で取材・執筆・編集を続ける。雑誌では『人事マネジメント』(ビジネスパブリッシング社)や『週刊ダイヤモンド』(ダイヤモンド社)、インターネットではNBオンライン(日経BP社)やダイヤモンドオンライン(ダイヤモンド社)で執筆中。このほか日本マンパワーや専門学校で文章指導の講師を務める。

著書に『非正社員から正社員になる!』(光文社)、『年収1000万円!稼ぐ「ライター」の仕事術』(同文舘出版)、『あの日、「負け組社員」になった…他人事ではない"会社の落とし穴"の避け方・埋め方・逃れ方』(ダイヤモンド社)、『いますぐ「さすが」と言いなさい!』(ビジネス社)など。ブログ「吉田典史の編集部」、Twitterアカウント:@katigumi


 東日本大震災の発生以降、「がんばれ! 東北、がんばろう! 日本」といったスローガンを見聞きする。有識者も「日本はひとつ」と唱える。確かに復旧や復興は急がねばならない。だが、私はこの空気にあえて水をさしたい。

 警察庁(4月26日現在)によると、震災による死者・行方不明者は合わせて2万5000人を、避難者は13万人を超える。この大きな被害を踏まえるならば、国が必要以上に「和」を重んじることは好ましくない。その空気の中で、多くの犠牲者を出した問題が隠される可能性がある。

 むしろ冷静に問題点を検証していくことが必要だ。そのプロセスでは、関係者の対立やぶつかり合いがあるかもしれない。しかし、その中にしか解決の道はないと私は思う。

全校児童の7割が死亡・行方不明

 私の問題意識は、ここにある。被害が大きくなった理由は「すべて自然災害によるもの」と言い切れるだろうか。防災対策が不十分だったものもあるのではないか。もちろん、今回は研究者ですら完全には予測できない大きな揺れだった。このことは論を進めるうえでの前提にしなければいけない。

 1つの事例として、宮城県石巻市立の大川小学校を挙げたい。ここは、学校の中で犠牲者が最も多かった。報道によると、全校児童は108人。いわゆる小規模校である。4月25日現在、警察庁によるとそのうち死者が65人、行方不明者は9人。教職員は13人中9人が死亡、1人が行方不明。今なお、自衛隊や警察、消防による捜索が続いている。

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