日経平均1万円台回復清水洋介の「日々是相場」朝刊(2/2 ページ)

» 2011年05月02日 16時49分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]
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明日の相場雑感

 日本市場が休場中に米国市場は堅調な展開となったことや外国人が買い越しと伝えられたことなどから買い先行となりました。ただ、連休前のヘッジ売りの買戻しなど、寄り付きの買いが一巡となった後は円高に振れたこともあり上値も限られました。ただ、昼の時間に国際テロ組織の首謀者が殺害されたとの報道から、米ドルが買われ円安に振れたことや米国株高期待から買われ、一時日経平均は心理的な節目と見られる1万円を超える場面もありました。

 昨年のゴールデンウィークには米国でのナスダックの異常値など波乱があり、毎年、この時期には波乱が多いような気がします。日本企業も決算の動向が見えて来て、米国でも1−3月期の決算発表が出揃ってくるところであり、6月決算のファンドなどの「45日ルール」もあり、変動が大きくなり易い時期と言えるでしょう。昨年は急落となり、一昨年も急騰急落、などなど、一旦は急落する場面も多く、今年は目先的な過熱感はないものの、買戻し一巡後に改めて売りポジションを作るような場面もあるのかもしれません。

 外国人が買っていると言うことで、強気になっている向きもいるようですが、連休の谷間に原子力発電所事故で海外に逃げている人が多い中で、日本株をそこまで買って来るとは考え難いのではないかと思います。あくまでも持高調整の買戻し、あるいはETF組成などに絡む持高調整で買っていると言うことではないでしょうか?もちろん今期業績に関しても好調な企業は多く、売られすぎた銘柄なども多いのでしょうが、特に理由が見られないなかで買い上がることには違和感を覚えます。

 今後復興に対する期待が現実買いに転じ、停電や節電に絡むことで、収益が上振れするような銘柄を物色するのはわかりますが、単純に値動きの良さばかりに注目するのどうかと思います。蓄電池関連や発電機、代替エネルギー関連などは理想買いと現実買いは入り混じっているものの、今後も折に触れ取りざたされることになるのだと思います。世界的に脱原発の動きもあるのかもしれませんが、「電力」は無くてはならないものであるには違いなく、広い意味での「スマートグリッド」などを連休を機に考えて見てもいいのかもしれません。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券、リテラ・クレア証券で相場情報などに携わってきた。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。
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