決算発表が出そろい、一旦調整となりそう清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2011年05月02日 08時47分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

<日経平均9849.74>△157.90

<TOPIX851.85>△11.98

<10年国債1.155>▼0.005

<NYダウ>12,810.54△47.23

<NASDAQ>2,873.54△1.01

<CME>9,935

<NY為替>81.21▼0.93

好調な決算発表を受けて堅調だが、芳しくない経済指標も見られ、上値も限定的

 日本市場が連休中の米国市場は引き続き好調な決算発表が多く見られることや、月末の持高調整の買戻しなどが入り堅調となりました。欧州金融不安や中東・北アフリカ情勢の緊迫化、中国など新興国でのインフレ懸念などが一段落となり、金融緩和継続も確認されたということで、素直に好調な決算に反応していると言うことでしょう。ただ、今週の注目される経済指標の発表を前に、シカゴ購買部協会景気指数が予想を下回り、慎重な見通しを示す企業も見られ、週末には上値も重くなりました。

 引き続き好調な企業業績を受けて堅調な地合いは続くのでしょうが、目先的な過熱感もあり、決算発表が出揃い、反応が一巡となると一旦調整となりそうです。今週はISM景気指数や週末の雇用統計など注目される指標の発表もあり、利益確定売りが先行する格好となって来そうです。一方で、量的緩和は終了するものの金融緩和そのものは継続されるとの見方が強く、過剰流動性相場が続くと見られることから、相場全体の方向性としては強含みの展開となるのでしょう。

 個別には週末に好調な決算を発表したキャタピラーが高くなりましたが、アルコアやGE(ゼネラル・エレクトリック)、IBMなど景気敏感銘柄は利益確定売りに押されて軟調、原油や金の先物が堅調でエクソン・モービルなど石油株やパブリック・ゴールドは堅調でしたが、ニューモント・マイニングは軟調となるなど利益確定売りに押されるものも多く見られました。冴えない決算発表となったマイクロソフトは軟調、予想に反して黒字決算を発表したDRホートンは大幅高となりました。

本日の相場

 3連休前の日本市場は米国株高やゴールデンウィーク前の持高調整の買戻しや月末・週末の買戻しが見られ大幅高となりました。為替は円高気味となったのですが、米国の企業業績の回復が顕著になっていることや原子力発電所問題も一服となっていることから、買戻しを急ぐ動きもあり大幅高となりました。外国人も買い越しと伝えられたことも、外国人の買戻し画期待され、月末ということもあり、目先筋の買戻しもあったものと思われます。

 日本市場が3連休となっている間の米国市場は引き続き堅調となったことから、本日の日本市場も堅調となりそうです。ただ、為替が円高に振れたことで輸出株などに上値の重いものも見られるものと思われ、指数の上値も限定的となりそうです。また明日から3連休となることもあり、積極的に持ち高を増やすと言うことでもなさそうで、為替動向をにらみながらの動きとなりそうです。3連休中にも米国では主要な経済指標の発表などもあり、為替が動く可能性もあり、持高調整の買戻しなどが続くのでしょうが、積極的に破壊上がり難いと思います。

 9800円〜900円の節目水準までの戻りを試す動きとなっています。一気に1万円台回復と言うことにはなりそうもないのですが、本日は9900円水準を試すことになりそうです。ただ、9800円〜900円水準での上値の重さを確認するような展開となるものと思われ、原子力発電所の問題がこれ以上悪化しないことがはっきりとするまでは外国人などの積極的な買いは期待し難く、9500円〜600円水準を下値、9800円〜900円水準を上値としたもみ合いは続くのだと思います。

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