都知事の“天罰発言”を聞いたとき、被災者の感情は相場英雄の時事日想・震災ルポ(2)(1/4 ページ)

» 2011年04月28日 08時00分 公開
[相場英雄,Business Media 誠]

相場英雄(あいば・ひでお)氏のプロフィール

1967年新潟県生まれ。1989年時事通信社入社、経済速報メディアの編集に携わったあと、1995年から日銀金融記者クラブで外為、金利、デリバティブ問題などを担当。その後兜記者クラブで外資系金融機関、株式市況を担当。2005年、『デフォルト(債務不履行)』(角川文庫)で第2回ダイヤモンド経済小説大賞を受賞、作家デビュー。2006年末に同社退社、執筆活動に。著書に『株価操縦』(ダイヤモンド社)、『偽装通貨』(東京書籍)、『偽計 みちのく麺食い記者・宮沢賢一郎』(双葉社)などのほか、漫画原作『フラグマン』(小学館ビッグコミックオリジナル増刊)連載。ブログ:「相場英雄の酩酊日記」、Twitterアカウント:@aibahideo


 被災地入りして2日目、筆者は東京から帰郷した友人T氏とともに現地をつぶさに歩いた。この間、震災地での被災者の生活の様子や今後のことを聞く機会を得た。大手の新聞、テレビでは伝えられることのない被災者の生の声を紹介する。

 →【震災ルポ(1)】大津波で崩れ去った石巻市――そこで見たものは

(出典:Google マップ)

被災者の自宅

 次の写真は、筆者とともに故郷の被災地に帰った友人T氏の実家だ。家があるのは、石巻市のお隣、航空自衛隊基地がある東松島市だ。石巻市の甚大な被害に焦点が当たっていたが、東松島市も壊滅的な被害を受けていた。同市の各所では津波が堤防を乗り越えたほか、大曲地区という場所では河川の堤防が決壊し、広い地域に海水が押し寄せた。

被災した友人の東松島市の実家(右)、浴室にも津波が押し寄せた(右)

 自衛隊による懸命の排水作業により、ようやく田畑や住宅街を覆った水が引け、「自動車や家屋の残骸が顔を出し、ようやく行方不明者の捜索活動もできるようになった」(8日付の石巻日日新聞)

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