コラム
» 2011年04月27日 05時26分 UPDATE

東日本大震災ルポ・被災地を歩く:南相馬市、原発20キロ圏内に入る(後編) (1/4)

福島第一原発から20キロ圏に位置し、避難指示が出ている南相馬市。人間は避難しても、動物たちは今も残されたままだ。原発から14キロ、320頭の牛を飼育している農場を訪れた。

[渋井哲也,Business Media 誠]

 東京電力の福島第一原子力発電所から20キロ圏内に位置する、福島県南相馬市。南相馬市は福島県の沿岸部、浜通の北部にあり、相馬市(参照記事)の南に位置する。

 私は20キロ圏のさらに奥に進むことにした。つまり、東京電力福島第一原子力発電所に近づくことにしたのだ。いまだにそこで住み、働いている人がいると聞き、ゴーストタウン化したこの町で、そこに踏みとどまる気持ちを聞いてみたいと思った。目標は牧場の主にした。

ay_sbimap02.jpg 福島県浜通りの北部に位置する南相馬市は、福島第一原発の北に位置する(クリックすると広域の地図を表示します)

 →東日本大震災ルポ・被災地を歩く:南相馬市、原発20キロ圏内に入る(前編)

20キロ圏に入るには? 距離よりも、風向きや天候が決め手

 4月中旬、20キロ圏の放射線量は危険な数値に達しない日々が続いていた。むしろ原発からの距離とは関係なく、風に飛ばされる方角によって高い数値が出ることが多かった。例えば南相馬市よりも、原発からの距離が遠い飯館村や福島市のほうが数値が高い、といったことが起こる。そのため、風向きや天候が20キロ圏内に入る目安になる。

 私はこの原稿を書くまでに2度、20キロ圏内に入った。20キロ圏内に近づくと「この先20キロ圏 立ち入り禁止」の看板が立っている。1度目は前回の原稿の執筆の時だ。そのときは看板付近には警察官は立っていなかった。しかし3月31日、2度目の立ち入り時には、警察官が立っていた。

 枝野官房長官は3月30日の会見で「避難指示」には強制力がなく、住民が家財の確保などの理由で警察官の制止を振り切って立ち入るケースが増えているとして、20キロ圏内を「警戒区域」とすることを検討に入った、と話した※。警察官も増員することになった。

※4月22日午前0時、原発から半径20キロ圏内に出ていた「避難指示区域」は「警戒区域」に切り替えられた。警戒区域では、強制的な立ち退きや立ち入り禁止を命じることができる。
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