見切売りが嵩んで大幅安清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2011年04月26日 16時06分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

市況概況

日経平均 9558.69円 ▼113.27円
売買高 15億4010万株
売買代金 1兆0419億8700万円
値上がり銘柄 364銘柄
値下がり銘柄 1177銘柄
騰落レシオ 83.13% ▼10.89%

日経平均

円高や大震災の影響で芳しくない決算が見られ、見切売りが嵩んで大幅安

 連休明けの米国市場は方向感はありませんでしたが、底堅い堅調な展開となり、外国人売買動向(市場筋推計、外資系9社ベース)も売り買い共に少ないながらも買い越しと伝えられたのですが、円高となったこともあり、売り先行となりました。寄り付きの売りが一巡となった後も、決算発表が始まる中で、円高や大震災の影響で予想を下回る決算を発表する銘柄も多く、また、3月の自動車生産が大きく落ち込んだことで改めて大震災の影響を懸念する動きから売りが嵩み一時大幅下落となるなど総じて軟調となりました。

 後場に入ると戻りの鈍さなどもあり、一段安となる場面もありました。円高気味ということに加え、芳しくない決算発表などを見て売り直すような動きも見られました。通信株の一角や食品株の一角などが好調な業績やディフェンシブ銘柄としれ買われましたが、指数を押し上げるような動きもなく、自動車株やハイテク銘柄などを中心に見切売りが嵩んで大きな下げとなるものも見られました。ゴールデンウィークや米国の重要な指標の発表、そして3月の百貨店売上高やパソコン国内出荷台数も大きな落ち込みとなり、決算発表の本格化を前に大震災の影響なども懸念されて買い手控え気分も強いようでした。

 小型銘柄には幕間つなぎ的に買われるものも見られましたが、総じて見切売りに押されるものが多く、冴えない展開となるものが多く見られました。東証マザーズ指数は堅調となりましたが、日経ジャスダック平均とジャスダックTOP20は軟調となりました。先物は朝方は若干まとまった売り買いは見られたものの、断続的な動きはなく、散発的なまとまった売り買いで指数が動かされる場面もあったのですが、大きな流れ、方向感にはつながりませんでした。

 決算発表が本格化してきますが米国の経済指標の発表やゴールデンウィークに入ることなどもあり買い気に乏しい展開となっています。大震災の影響が取り沙汰されるなかで各企業とすれば強気な見通しを立て難い雰囲気だと思います。どうしても大震災の影響を大きく見積もり過ぎる決算となって来るのではないかと思います。それでなくても「金融恐慌」後の決算はどうしても慎重な決算になりがちであり、慎重=芳しくない見通しでも「リーマン・ショックだから」とか「大震災だから」と言うことで認められてしまう傾向にありそうです。今後は決算見通しを出さない、あるいは芳しくないと言うことで売られすぎとなる銘柄なども出てくるものと思われ、原子力発電所事故の解決に目処が立てば一気に修正となる可能性もありそうです。

テクニカル分析

日経平均

 雲や基準線のサポートを確認するように大幅下落となりました。遅行線も日々線にサポートされたような格好となっており、底堅さは見られるのだと思います。RSIは方向感はなく、ストキャスティックスは上値余地もあったのですが下落となり、雲の中での調整となる可能性もありそうです。遅行線が日々線に絡みながらも見合いとなる印象ではないかと思います。

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