筆者は小説執筆のほか、漫画原作の創作をなりわいとしている。この街は、大好きな漫画家、故・石ノ森章太郎氏と縁が深いことでも知られる。同氏の作品や原画を展示する「石ノ森萬館」も津波を被った。
また、立町を中心とする中心街に設置された石ノ森作品のキャラクター像も軒並み被害を受けた。仮面ライダー、サイボーグ009で育った世代故、何度も萬画館に足を運んだ。また、筆者の漫画担当編集者も同館で頻繁にイベントを開催していた経緯がある。このため、この街の漫画への思い入れは人一倍強いと自負している。
人づてに同館の貴重な資料が被災したことを聞いた。漫画は街の有力な観光資源でもある。漫画界の片隅に身を置く人間として、1日も早い復興を願わずにはいられない。
筆者が石巻を訪れたのは、震災から約1カ月経過したタイミングだった。石巻日日新聞の記者によれば、自衛隊や地元民、あるいは全国から駆け付けたボランティアの尽力により、主要な道路の通行は比較的早い段階で可能になったという。
筆者が街を歩いたタイミングは、ちょうど店舗や一般家庭が内部に流れ込んだヘドロをかき出しているところだった。商店街の歩道に出された商店や家庭のがれき、ゴミを自衛隊員や米海兵隊員が協力して大型トラックに積み込んでいる光景を目にした。
被災地の道路事情が比較的早期に好転したのは、間違いなく自衛隊の尽力によるものだと現地で強く認識した。インフラの復興のほか、人命救助、あるいは行方不明者の捜索についても自衛隊が果敢な活動を行っていた。
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