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» 2011年04月25日 08時00分 UPDATE

ちきりんの“社会派”で行こう!:それでも経済成長が必要な意味 (1/2)

経済成長を目指した末に、多くの電力を消費するようになった現代日本社会。原発事故による電力不足で、そのあり方が改めて問われていますが、そもそも私たちはなぜ経済成長を目指すのでしょうか。ちきりんさんは米国留学時代に自分なりの回答を見つけたようです。

[ちきりん,Chikirinの日記]

「ちきりんの“社会派”で行こう!」とは?

はてなダイアリーの片隅でさまざまな話題をちょっと違った視点から扱う匿名ブロガー“ちきりん”さん。政治や経済から、社会、芸能まで鋭い分析眼で読み解く“ちきりんワールド”をご堪能ください。

※本記事は、「Chikirinの日記」において、2008年2月23日に掲載されたエントリーを再構成したコラムです。


 電力不足に直面する関東圏。そんな中で出てくるのが「こんなに便利である必要があるのか?」「昔はなかったのだから、なくても大丈夫だろう」「夜に店が開いている必要はない」という類の議論です。

 確かに真夜中でも煌々(こうこう)と電気がついた街で、24時間多くのサービスが受けられたり、猛暑の中、クーラーで冷やした部屋でサマーセーターを着用したり、冬にはシャツ1枚で歩けるくらい家全体を暖めたりする。「こんな生活をする必要が本当にあるのか?」とは、誰もが一度は持つ疑問でしょう。

 政府は毎年、当然のように「●%の経済成長を目指す」と目標を掲げます。しかしいったい私たちは、何のために経済成長を目指すのでしょうか?

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 ちきりんはこの問いへの自分なりの回答を、20代の終わりに米国の大学院に留学した時に手に入れました。

 その学生街ではホームレスや障害者、まだ効果のある薬が開発されていなかった時期のHIV陽性者など、「弱者と呼ばれ、社会から疎外されていた人たちに、強者と同じ機会を与えるべき」という思想と理想を、大学はもちろん街全体が実践しようとしていました。

 バスはすべて自動昇降ステップが付いていて、実際に多くの停留所で車いすの人が乗り降りしていました。授業には聴覚や視覚、四肢など、さまざまなところに障害を持つ学生たちが出ているのですが、彼らにはボランティアの学生が授業ごとに1対1で付いていて、ノートをとったり教科書のページをめくったりする手伝いをします。

 そういった人たちも学生寮で暮らせるよう、毎週1時間でもボランティアができるような仕組みになっていて、多くの学生が洗濯などの日常の手伝いや、外出の手伝いをします。外出は買い物や授業に行くなどの不可欠なものだけではなく、フットボールを見に行くとか、デートに行くといった外出も含めてサポートしてもらえます。さまざまな不利な条件を持つ人が「普通の生活を望むことの当然さ」を、街全体が受け入れていたのです。

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