週末の持ち高調整の売り買いが中心で小動き清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2011年04月15日 16時43分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]
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明日の相場雑感

 相変わらず米国市場など海外情勢への反応は鈍く冴えない展開となりました。為替も落ち着き、原子力発電所問題も小康状態を保っているのですが、決して好転している風でもなく、政治的な思惑を含めて先行き不透明感も根強く、週末と言うことで手仕舞いの売り買いが中心で方向感に乏しい展開となりました。売り急ぐ動きはないのですが、ヘッジ売りや手仕舞い売りも多く、逆に買い戻しなども見られ指数に方向感は見られませんでした。

 ようやく、発光ダイオード(LED)関連銘柄がにぎわって来ました。節電手段として注目されていたのですが、「ここへきて・・・」と言う感じです。計画停電が言われた段階からすぐにLED照明に注目し、動き始めればよかったのではないかと思います。以前このコラムで述べたように、LED電球にすることによって、これまでの照明から7〜8割、下手をすると9割程度使用電力を減らすのであれば、作れるだけ作って、東京電力、東北電力管内に配りまくればいいのではないかと思います。エコポイントも1000円高速も、そしてかつて流行ったETCにしても、国が補助を出すと言えば皆並んででも買いに行くのですから、国が音頭をとってLEDに換えればいいのです。

 LEDだけではなく、今後は太陽光発電だけではなく、燃料電池や自家発電装置も電力の買い取りだけではなく、補助をもっと厚くすると良いのではないかと思います。うがった見方をする人の中には、東京電力(9501)は日航と違って、政治家に献金をたくさんしているので、破たんはしないし、節電、節電と言うよりは発電所を作って電気を売る方向なのだと言うようなことを言う人もいますが、原子力発電所を作る、火力発電所を作って運営するよりは、各自の自宅やビル、マンションなどで太陽光発電や蓄電池システムを利用した「スマートハウス」「スマートシティ」の整備に補助を出す方が安いのではないかと思います。

 今回はコンビニエンスストアがLED照明に換えると言うことでLED関連銘柄に動きが出ましたが、今後もビルやマンション、戸建住宅を建設するには太陽光発電システムを義務付け、国が補助を出すなどと言うことになれば、太陽光発電関連や蓄電池関連も買われるのでしょうし、折に触れてこうした「節電」「エコ」カレン銘柄などは当分の間、順番に見直されることになるのではないかと思います。また、そうした銘柄がもてはやされるような政策が期待されます。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券、リテラ・クレア証券で相場情報などに携わってきた。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。
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