景気回復期待も根強く底堅い堅調な展開清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2011年04月15日 08時37分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

<日経平均>9653.92△12.74

<TOPIX>846.72△2.13

<NYダウ>12285.15△14.16

<NASDAQ>2760.22▼1.30

<NY為替>83.49▼0.32

欧州財政問題や雇用に対する懸念から売られるも景気回復期待も根強く底堅い堅調な展開

 ギリシャの債務再編が問題視され欧州株式が大幅下落となったことや朝方発表された新規失業保険申請件数が2カ月ぶりの水準に悪化したこと、ロンドンでの金利操作の問題などが嫌気されて売り先行となり、一時ダウ平均で100ドル超の下落となりました。ただ、足元の景気回復は順調に進んでいることや原油や金など商品相場も落ち着いて堅調となっていること下院で予算案が可決されたことから、底堅さも見られ、底堅さが確認されると値ごろ感からの買いや買い戻しも入って切り返し、ダウ平均は小幅高、ナスダック指数も小幅安と、底堅い堅調な展開となりました。

 企業の決算発表が本格化する中で、企業決算動向に一喜一憂する動きもあるのですが、景気回復を期待しつつもインフレが懸念されるなかでの欧州財政問題、QE2(量的緩和)終了後の資金供給の問題=信用収縮懸念、日本の大震災の影響や原子力発電所問題、中国など新興国のインフレ懸念に、中東・北アフリカ情勢など懸念材料には事欠かず、一つ進展しては買われ、懸念されては売られると言うような展開になっています。引き続き決算動向に一喜一憂しながら、景気回復を織り込んで底堅い堅調な展開なのでしょうが、これらの問題に振らされる展開が続きそうです。

 個別には決算発表を控えたグーグルが小幅高となりましたが、引け後の決算発表で利益が予想を下回ったことが嫌気されて時間外取引では大きく売られています。欧州財政問題が取り沙汰され金融不安=信用収縮懸念も強まり、また、ロンドン銀行間取引金利の水準を操作していた疑いで当局が調査に乗り出したと言うこで、JPモルガン・チェースやバンク・オブ・アメリカなど金融株が軒並み軟調となりました。原油や金の先物が堅調となったことで、パブリック・ゴールドなどの金鉱株やエクソン・モービルなどの石油株は堅調、アルコアやGE(ゼネラル・エレクトリック)は堅調ですが、キャタピラーやフォード・モーター、アップルなどは軟調となるなど景気敏感銘柄はまちまちとなりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は手掛かり難のなか小動きとなりました。外国人売買動向も売り越し、為替も円高となったこともあり、米国株高に反応せず売り先行となり、冴えない展開が続きましたが、最後は先物の買い戻しなども見られ堅調となりました。ただ、物色対象も絞り切れず、積極的に景気回復や復興期待から買われていると言うことでもなく相変わらずテクニカル的に指数に絡む持ち高調整の買い戻しが入って指数を支えていると言う感じです。

 米国市場に底堅さが見られ、為替も商品相場も落ち着いているので、特に売り買いを急ぐような展開にはなりそうもありません。本日は中国の経済指標の発表に反応する展開となりそうです。原子力発電所問題にも特に変化は見られず、引き続き大震災の影響と復興期待が入り混じることになりそうです。週末と言うことで手仕舞いの売り買いが中心となり、積極的な売り買いは手控えられそうで、基本的には方向感に乏しい弱含みの展開となると思います。中国の経済指標に日本の大震災の影響がどの程度見られるのかも注目されるところです。

 引き続き日経平均は9500円〜600円の下値固めと言う段階と思われます。9500円水準が近付くと買い戻しや値ごろ感からの買いが見られ、9600円を大きく超えて来ると上値も重くなりそうです。週末と言うことで、手仕舞い売りや手仕舞いの買い戻しが中心で方向感に乏しい展開となるのだと思います。中国景気の減速感が見られると9500円水準での底堅さを確認するような展開となるのかもしれません。原子力発電所問題を抱えた週末ということで、積極的に買い上がる動きは限られるものと思います。

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