スタンプによるステーショナリーのカスタマイズについて、植原氏はこう語った。
「もともとスタンプを使ったプロダクトはいくつか作っていて、スタンプを押した質感のモチーフはすごく好きなものでした。このお店を考えたときに、面積がそんなに広くはないので、スタンプを使えば組み合わせが無限大になる、と考えたのです。無限の棚ができると。D-Brosが作るステーショナリーのいろんな要素があって、それにプラスしてこのスタンプがあるという。プロデューサーの宮田も、お店を作るのであれば『カスタマイズ』を重視した店と。ただ商品を売るのではなくて、お客さんとコラボレーションして物を売っていくのがいいといっていて。僕らの考え方とうまくマッチしたのです」
スタンプの種類は現在340種。インキが浸透しており自分で選んで押せるスタンプと、大きなサイズでサンプルから絵柄を選び、パンタという押印機を使って店員さんが押してくれるスタンプがある。どのサイズのものもステーショナリーを購入すれば押すことができる。
通常のように完成度の高いD-Brosのデザインと、ユーザーに作ってもらうため──いわゆる発想を喚起するようなモチーフ。通常とはアプローチが違うように思うが、その点について植原氏はこういう。
「D-Brosは当初から、渡邉さんが描くような完成度の高いイラストを中心にしたデザインをしてきていて、最初はそういうモチーフを作っていたのだけど、やはりそれではバランスが取れなくなってきた。そこで、フレームとか線、丸や記号、パターンなどのグラフィカルなモチーフを加えて、渡邉さんのイラストと組み合わせることでどんどん発想が広がるような。全体のバランスを見つつ、デザインしていきました」
「イラストばっかりだと可愛くなり過ぎちゃって、いくら私でも嫌になるなと(笑)。また、この店は駅ということもあり幅広い層の方に楽しんでいただきたいというのもありました。また、ギフトにも使っていただけるように『Happy Birthday』『Conguratulations』というようなメッセージもたくさん入れ込んでいます」(渡邉氏)
もともとスタンプに描かれたモチーフ自体が素敵な絵柄なので、適当に押してもカッコいいものが仕上がる。そして、ペタペタと押しているだけなのに、何となく自分で描いたような気分にもなり「私が作った!」と人に自慢したくもなる。
しかし、まっさらなノートにスタンプをポンと押すのは、普段デザインや絵などに親しみがないかたには少し抵抗があるかもしれない。という話をすると、植原氏は、「失敗をしても修正できるスタンプっていうのもあるんです。ペンでぐちゃぐちゃって書いてあるスタンプがあって、それを上に載せると意外にカッコいい」
さすがである。
「いくつかスタンプが押された商品も売っているので、それをガイドに自分の好きなスタンプを組み合わせるというのはやりやすいかも。また、スタンプのモチーフで物語を作ってみるとか。でもルールはありませんので、思いのままに押してもらえたらうれしいです」(渡邉氏)
植原氏にお手本を見せていただいた。
鮮やか! やっぱりグラフィカルなモチーフとイラストのバランスが重要なのであろう。ギフトにはもちろんのこと、新幹線の時間待ちのときなどに気軽に立ち寄りたいショップが誕生した。スタンプに熱中しすぎて電車に乗り遅れることのないよう、お気を付けいただきたい。
また、隣にはD-Brosがロゴとグラフィックデザインを手がけたカフェ「caslon cafe」にも注目したい。caslonとは書体の名前であり、同書体が使われたパンの箱や店内グラフィックは、自然な流れで「DB in Station」とつながっている。スタンプを押し疲れたらカフェへどうぞ。
東京都港区高輪3-26-27 JR品川駅構内エキュート品川2階
Open.10:00〜21:00(月〜土)、10:00〜20:00(日・祝)
お問い合わせ:tel.03-3443-5211
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