先行きへの不安も根強く、最後は堅調だが冴えない展開清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2011年04月14日 18時58分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]
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明日の相場雑感

 米国株が堅調となったのですが、円高となったことや昨日の反発で既に米国株高を織り込んでいたことなどから売り先行となり、終始冴えない展開となりました。ただ、売り一巡感や値ごろ感もあり、売り急ぐ動きは限られて指数も底堅い展開となりました。最後は先物買いで堅調とはなりましたが、手掛かり難で相場の方向感も掴み難く、センチメントも膠着しているようで、狭い範囲での動きとなりました。

 米国市場への連動も見られない展開が続いており、手掛かりに乏しい毎日となっています。経済指標や個別の企業業績も個々の企業の反応に止まり、「○○関連」などと言って囃されるものも長続きもせず、何を投資の尺度といていいのかわかり難くなっています。テクニカル的に、ETFの組成と見られる持高調整やファンド筋の持ち高調整などがその日その日の方向付けをして、その流れに目先筋が飛び乗ると言うことなのだと思います。方向感といっても目先の方向性ばかりを気にしての動きで、大きな流れを見てと言う動きにはならないようです。

 と言っても、確かに原子力発電所問題が収束に向かわないことには見動きがとれず、市場が閉まっている間に何かあったら・・・、と思うと大きく下落しているものは買えても、動き出したものは安心して持つことができないということなのだと思います。相場の循環大きな流れのなかでの動きであればある程度修正しながら織り込むことはできても、自然災害や原子力発電所問題などは取りあえず、リスクを回避すると言うことしか対処のしようがない感じです。

 ただ、今回の大震災の復興に向けての流れは見え始めており、想定されそうなリスクをある程度まで織り込んで、その想定外事態に備えながら先を見て動くしかないのではないかと思います。個々の投資対象のリスクも全体のリスクから計りながら、割安か割高か、買われ過ぎか、売られ過ぎかなどを判断していくしかないと思います。「節電」などと言うテーマで、本当に節電などでメリットのある銘柄などを見つけていくのも良いかもしれません。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券、リテラ・クレア証券で相場情報などに携わってきた。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。
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