円高一服となったことから堅調清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2011年04月13日 19時56分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]
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明日の相場雑感

 特に買い材料が出たと言うことでもないのですが、昨日の大幅下落の反動から底堅い堅調な展開となりました。寄り付きは円高を嫌気するように売り先行となったのですが、売り一巡感もあり、今度は下値目処と見られる節目水準を意識して買い戻しも入り、底堅い堅調な展開となりました。原子力発電所問題も進展がみられるわけでもないのですが、大きな余震が一段落となったこともあり、一旦買い戻す動きとなったものと思います。大震災で被災した施設の操業再開の目処が立ってきたところも多く、底堅さが見られると買い戻しを急ぐ動きも出て来るのだと思います。

 大震災以降市場の投資尺度がどこにあるのかわからないような状況が続いています。円安だから買われるとか、円高だから相場全体が売られると言うこともなく、操業再開や下方修正などに敏感に反応する場面もあることはあるのですが、長続きすることもなく、売られていたから買われると言うような状況で、好材料が出ても既に別な理由で買われていた銘柄なども手仕舞い売りに押されるなどと言うちぐはぐな動きが多くなっています。

 大震災の影響や原子力発電所事故の解決が見られないうちは方向感も掴み難いと言うことなのでしょうが、3月の期末要因に加え、4月に入ってからも持高調整のような売り買いも見られ、何を基準に売り買いするのか大きな方向感がつかめない感じです。復興需要や原子力発電に代わる代替エネルギー関連などは今後の業績拡大は大いに期待されるのですが、物色範囲が広くなりすぎ、売られ過ぎの修正や「修正し過ぎの修正」(?)などは見られるものの、上値を買い上がるだけの材料もエネルギーもないと言うことなのでしょう。

 こうした時は何を尺度に見れば良いのかと言えば、目先の動きについて日替わりで物色するのも良いのでしょうが、まだ指数はもみ合いの中での動きと考えて底値に近付いたところで売られ過ぎた銘柄を探すとか、大きな流れを見て先回りしておくということになるのでしょう。原子力発電所の問題が解決しないことには円安に振れても「日本売り」となってしまい、素直な反応にもならないのだと思いますし、原子力発電所の事故の影響が少ない、あるいは最悪の事態を想定してその先を読んでみると言うのも良いのだと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券、リテラ・クレア証券で相場情報などに携わってきた。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。
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