円高一服となったことから堅調清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2011年04月13日 19時56分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

市況概況

日経平均 9641.18 円 △85.92 円
売買高 21億1788万株
売買代金 1兆3491億2200万円
値上り銘柄数 995銘柄
値下り銘柄数 485銘柄
騰落レシオ(25日) 86.48% △3.85%

昨日の大幅安の反動や値ごろ感からの買い、円高一服となったことから堅調

 米国市場が軟調となったことや円高となったことなどから売り先行となりました。外国人売買動向(市場筋推計、外資系9社ベース)も株数は買い越しとなったものの金額は売り越しとはっきりと方向感が見られず、軟調な始まりとなりました。ただ、昨日の大幅下落の反動から値ごろ感が出ていたことや円高が進むことなく、逆に円安気味となったことから、底堅い堅調な展開となりました。原子力発電所事故に進展が見られたわけでもなく、余震もまだ続いていることから、上値も限定的となりましたが、底堅さは続きました。

 後場に入ってからは売り一巡感から底堅さが見られたことや米国株安の1つの要因となっていた原油価格が時間外取引で堅調となったこと、値ごろ感からの買い戻しが続いたことから堅調となりました。特に買い急ぐ理由もなく、売られ過ぎた銘柄が買われ、材料の出た銘柄がら買われていただけではあるのですが、持ち高調整の売り買いでも買い戻しを急ぐ動きなども見られ、総じて堅調な展開となりました。大震災の影響で操業停止となっていた工場などが早めに操業を開始すると相次いで報じられたことも買い戻しを急がせる要因となったものと思います。

 小型銘柄も堅調となりましたが、空売りの買い戻しが入り難い分主力銘柄ほどの上昇は見られず、幕間つなぎ的に値動きの良さを見て買われる銘柄が中心に指数を押し上げたものの上値の重い銘柄も見られました。先物もまとまった売り買いが散発的に見られ、指数を押し上げ、押し下げるような場面もありましたが、断続的な売り買いにならず方向付けるような動きはありませんでした。まだ目先筋の売り買いが中心となっているようです。

 昨日の大幅安の反動から反発となりましたが、値ごろ感からの買い戻しが主体で方向感を持っての売り買いと言うことではなさそうです。円安に反応し、原油価格の反発に反応した格好とはなりましたが、個々の銘柄が買われた理由は値ごろ感や値動きの良さで買われたと言うことではないかと思います。原子力発電所事故に進展が見られず、放射能漏れが解決するまでは腰の据わった買いも期待し難く、上値も限られそうです。日本経済の底堅さが確認され、売り飽き気分が強まる、あるいは原子力発電所故が解決するまでは指数の底堅さは見られても、9800円〜900円水準までの戻りとなるのではないかと思います。

テクニカル分析

日経平均

 反発とはなりましたが、転換線に上値を押さえられました。RSIは方向感なく下落となりませんでしたが、ストキャスティックスは下落が続きまだ調整不十分となっています。引き続き遅行線が日々線に絡む日柄まではもみ合いの中での動きとなりそうです。転換線を抜けてもまだ節目を抜けきれず、下値は基準線にサポートされるものと思います。

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