上がるのか? 下がるのか? 2011年夏のボーナスの見通し

» 2011年04月13日 14時03分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]

 東日本大震災の発生を受け、景気への影響が懸念されている。震災前の国内景気は回復基調がうかがえたが、2011年の夏のボーナスはどのくらい支給されるのだろうか。

 民間企業で働く人の1人当たりの平均支給額は37万100円で、前年比0.8%増であると三菱UFJリサーチ&コンサルティングは予測している。また日本総合研究所も同36万9000円で、前年比0.4%増と発表した。

 「えっ、大震災があったのに増えるの?」と疑問に感じるかもしれないが、ボーナスは前期の企業収益に反映して支払われる。そのため「2011年夏のボーナスについては、震災の影響はそれほどないだろう」(三菱UFJリサーチ&コンサルティング)とみている。

夏のボーナスの見通し(出典:三菱UFJリサーチ&コンサルティング)

冬のボーナスはさらに厳しく

 一方、第一生命経済研究所は「夏のボーナス支給額は減少する」と予想した。1人当たりの平均支給額は36万1670円で、前年比1.5%の減少だ。「夏のボーナスは小幅プラスが展望できる状況だったが、震災の発生により状況は変化している。中小企業では震災後の売上減少を受けて、ボーナス支給の見送り・減額するところも多いだろう」(第一生命経済研究所)としている。

夏のボーナスの見通し(出典:第一生命経済研究所)

 減少するのは夏のボーナスだけにとどまらず、冬のボーナスも厳しくなるだろうと予測。「震災後の景気低迷の影響が本格的に現れることから、減少幅がさらに拡大する可能性た高い」(第一生命経済研究所)。さらに残業代カットも見込まれ、ビジネスパーソンの懐はかなり厳しくなりそうだ。

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