<日経平均>9555.26▼164.44
<TOPIX>838.51▼13.83
<NYダウ>12263.58▼117.53
<NASDAQ>2744.79▼26.72
<NY為替>83.58▼1.01
日本の原子力発電所事故のレベルが引き上げられたことから欧州、アジア株が大きく下落したことや前日引け後の芳しくない企業決算の発表などを受けて売り先行となりました。指数も高値圏にあったこと、目先的な過熱感もあったことから手仕舞い売りも嵩み、一時大幅安となるなど終始売りが優勢となりました。加えて商品相場に売り推奨が見られたことで、原油や金が下落、世界的なリスク許容度の低下、信用収縮の動きも見られ素材株やエネルギー株も売られました。
世界的な経済拡大は続いているのですが、ユーロの金利引き上げなど金融緩和から次の展開になっているものと思われます。日本の大震災や原子力発電所の問題もリスク許容度の低下につながっている面もあると思われます。期待された企業業績もまず初めに発表されたものが芳しくなかったと言うことで、期待していた分、失望感が強かったと言うことでしょう。ただ、世界的な経済の拡大、米国企業の業績回復、米国での個人消費の回復傾向に変わりなく、企業決算の発表に一喜一憂しながら調整が一巡となれば再び強含みの展開となって来るのでしょう。
個別には前日の引け後に決算を発表したアルコアは売上高が予想を下回ったことから売られ、大幅安となり、連れて素材株も軟調となりました。証券会社が商品に関して売り推奨をしたことから、原油や金の先物価格が下落、シェブロンが大幅安、パブリック・ゴールドも軟調となるなど石油株、金鉱株なども軒並み売られました。インテルなどハイテク銘柄も持高調整の売りに押され、キャタピラーやGE(ゼネラル・エレクトリック)など景気敏感銘柄も手仕舞い売りに押されました。信用収縮の流れからJPモルガン・チェースやバンク・オブ・アメリカなど金融株も安いものが目立ちました。日本の大震災の影響がそれほど大きくはないと指摘したフォード・モーターが堅調、ウォルマートやホーム・デポも堅調となりました。
昨日の日本市場は原子力発電所事故のレベルが上昇したことや余震と見られる大きな地震が頻発していること、また、信用収縮、円キャリー取引の解消のように為替が円高に振れたことなどが嫌気されて大幅安となりました。幕間つなぎ的に小型銘柄が買われることもなく、ほぼ全面安となりました。外国人も売り越し基調となっており、買戻し一巡から手仕舞い売りも嵩んでいるのだと思われます。
米国市場が軟調となったことや為替も円高に振れたこと、世界的な信用収縮の動きが出ていることから本日も売り先行となりそうです。ただ、昨日の大幅下落で欧米株の下落はある程度織り込まれており、売られすぎとなった銘柄は底堅さも見られるかもしれません。大震災の影響は徐々に薄れてはいるものの、原子力発電所問題が尾を引き、操業再開なども積極的に評価し難いのではないかと思われます。一方で「普通の生活」を行おうという流れも出てきており、大震災の直接の影響が少なく、原子力発電所事故の影響も少ない銘柄などが幕間つなぎ的に買われるのではないかと思います。
日経平均は引き続き9500円〜600円水準を下値、9800円〜900円水準を上値とした範囲でのもみ合いとなりそうです。9800円〜900円水準を抜けるには何度も述べているように原子力発電所問題、電力供給問題に解決のめどが見られる必要もあるのでしょうし、9500円〜600円を割り込むには原子力発電所問題が悪化する、あるいはこうした日本の大震災の影響もあって世界的な信用収縮の流れが大きくなることが要件となるのでしょう。決算動向に反応するというよりも資金の流れに注目しておいた方が良いと思います。
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