先週末の大幅高の反動もあって軟調清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2011年04月11日 15時57分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

市況概況

日経平均 9719.70円 ▼48.38円
売買高 20億3354万株
売買代金 1兆2154億7400万円
値上がり銘柄 906銘柄
値下がり銘柄 638銘柄
騰落レシオ 83.43% ▼0.75%

日経平均

売り買いの手掛かりに乏しいなかで、先週末の大幅高の反動もあって軟調

 週末の大幅高の反動や米国市場が軟調となったことから売り先行となりました。いったん円安方向に振れた為替も円高気味、円安一服となったこともあり、輸出企業などにも手仕舞い売り、見切り売りが嵩んで軟調となりました。外国人売買動向(市場筋推計、外資系9社ベース)も金額は買い越し、株数は売り越し、と材料性に乏しく、復興期待から代替エネルギー関連や省エネ関連、建設土木関連銘柄などに買われるものも見られるのですが、全体としては売られ過ぎ修正の一段落と言う感じであり、原子力発電所問題もあいかわらず進展は見られず、新たにヒ素問題が取り沙汰されるなど大震災の影響は相変わらず大きく、冴えない展開となりました。

 後場も前場以上に方向感に乏しい展開となりました。昼の時間帯にも特に大きなニュースもなく、操業再開などに反応して堅調なものが見られる一方で、先行きに対する警戒感も根強く、少しだけ先駆して戻った銘柄などは早くも見切り売りの押されると言う状況でした。原子力発電所問題や大震災の影響が懸念されるなか、海外でもあいかわらず中東・北アフリカ情勢やインフレなどの懸念材料も多く、原発問題も含めてもう少し先が見えてこないことには復興に対する期待も具体化せず、物色対象を絞りきれないと言うことなのだと思います。

 小型銘柄は個別に値動きの良い銘柄が買われる場面もあり、堅調な展開となりました。特に物色対象が絞られたと言うことではなく、あくまでも幕間つなぎ的な動きだと思われますが、東証マザーズ指数、日経ジャスダック平均、ジャスダックTOP20と揃って堅調となりました。先物はまとまった売り買いはほとんど見られず、目先筋の小口の売買や持ち高調整に終始したと言う感じで、最後まで方向感は見られませんでした。

 大震災からちょうど1カ月が経ちましたが、原子力発電所の問題もあり、いっこうに復興に向けての動きが見られません。個々の企業の工場などの操業再開のニュースは見られるのですが、現状についてあまりにも情報が少なすぎるような気がします。それだけ大変なことであったのでしょうが、原子力発電所を筆頭にもう少し現状について分かりやすい説明があっても良いのではないかと思います。ですから、復興度合いや今後の情勢を期待しながら積極的に投資をすると言うこともできず、投資尺度が見当たらずに暗中模索、目先の値動きだけを気にする動きがしばらく続いてしまうのでしょう。

テクニカル分析

日経平均

 もみ合いのなかで小動きとなっています。転換線のサポートを確認するような水準まで下落となることもなく、もみ合いのなかで手かがりを探っているような感じです。上値の重さを確認しては下値を試し、底堅さを確認しては上値を試すようなもみ合いが続くのだと思います。

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