米国株が軟調だったが、大幅高清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2011年04月08日 17時55分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

市況概況

日経平均 9,768.08 円 △177.15 円
売買高 27億9234万株
売買代金 1兆8154億6500万円
値上り銘柄数 1357銘柄
値下り銘柄数 224銘柄
騰落レシオ(25日) 84.19% △0.56%

米国株が軟調、外国人も大幅売り越しと伝えられたなかで大幅高

 米国市場が軟調、円安は一服となったものの大きな余震もあって影響が懸念されるなかで底堅い始まりとなりました。外国人売買動向(市場筋推計、外資系9社ベース)も大幅売り越しと伝えられ、大きな余震の影響も懸念されるなかで先物・オプションのSQ(特別清算指数)算出での買いが入り、売り先行で軟調ながらも底堅い始まりとなり、その後も底堅さを確認して先物の買い戻しが入り堅調な展開となりました。一旦は上値の重さを懸念する動きもありましたが先物にまとまった買いが入るとするすると値を上げ、指数は堅調となりました。

 後場も前場同様に特に買い上がる材料が見られたわけでもないのですが値動きの良い銘柄を買う動き、買い戻しを急ぐ動きが見られ、大幅高となりました。先物に断続的にまとまった買いが入る場面もあり、何かを物色すると言う動きよりは指数を押し上げると言う雰囲気で大きな上昇となりました。引き続き原子力発電所問題も懸念されるのですが売られ過ぎの反動もあって原子力発電関連銘柄が高く、復興需要でのメリットが期待される銘柄も値動きの良い銘柄が買われると言う状況で、物色が絞られると言うよりは売られていたものが買われ、買われていたものが売られると言うような展開でした。

 小型銘柄も値動きの良さに連れて買いが入り、大きく上昇するものも見られました。ただ、主力銘柄が先物に引っ張られて大きな上昇となった割には上げ幅が鈍く、東証マザーズ指数とジャスダックTOP20はかろうじて大幅高となったものの、日経ジャスダック平均は小幅高に止まりました。先物は朝方のSQの売り買いが一巡後も、前場中ごろから時間を計ったようにまとまった買いが見られ、指数を大きく押し上げる要因となっていました。

 大震災以降、業績などの動向が見極めにくいこともあって、指数が先行する格好で大きく相場を動かす場面も多くなりました。特に材料がないなかで一旦動きが出るといつものことながら何だかんだと理由をつけて一方向に大きく動き易いと言うことなのでしょう。ただ、足元の状況を見てみると直接大震災の影響を受けなかった企業でも部材の調達などで支障をきたしている企業も多く、また、計画停電も行わないと言いつつもこれまでの電力供給が期待できないなかでのやりくりをしなければならず、原子力発電所の問題もどうなるかわからない状況で最後まで思惑だけで買い上がれるとも思えず、こうした大幅高となっているときにしっかりと個々の銘柄の方向感や相場全体の方向感を見極める必要はあるのではないかと思います。

テクニカル分析

日経平均

 転換線のサポートを確認して大きな反発となりましたが、まだ9500円〜600円水準から9800円〜900円水準でのもみ合いのなかでの動きが続いています。RSIは高値圏にあり、ストキャスティックスもまだまだ調整不足であり、一気にこの上値の水準を抜けて来ると言うよりもまだ、遅行線が日々線に絡む日柄まではもみ合いとなって下値を試す動きもあると思います。

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