カウチサーフィンは株式会社ではなく、NPO法人です。米国カリフォルニアに本拠地があります。彼らの収入源は寄付のみで、広告収入などは現在のところ考えていないようです。
日本人にはあまりなじみのない寄付ですが、ただの寄付モデルではありません。寄付した人にメリットがあるのです。どういうことかというと、寄付する時の支払いはクレジットカード決済なのですが、クレジットカード決済をすることで、あなたの個人情報をカウチサーフィン運営側が持つことになります。
すると、寄付をする時に登録している住所宛てに、カウチサーフィン運営から手紙が届きます。その手紙に書いてあるパスワードをWeb上で入力すると、運営が「実在する人物と住所」を証明する緑色マークがプロフィールページに付与されます。
これによって、あなたが身元の怪しい人間ではないことが証明され、より多くの人が気軽にコンタクトしてくれるはずです。もちろん、これは万が一の時に備えての防犯効果にもなります。
もし、カウチサーフィンを積極的に利用したいのであれば、寄付することをオススメします。15ドルから寄付できるので、「1泊させてもらった」と思ったら非常に安いものです。積極的に寄付をして、カウチサーフィンの運営をサポートしましょう。
ここまで説明してきて、すでにお気付きの方も多いかもしれませんが、カウチサーフィンを活用するにはある程度の英語力、特に英会話力が必要になってきます。
オファーや事前のメッセージのやり取りは、ある程度、英語の読み書きを勉強してきた日本人ならできるかもしれません。しかし、実際に会った時、ある程度の英会話力がないと気まずい空間になってしまいます。
もちろん、日本語を話せるホストを検索することもできますが、日本語を話せる人はごくわずか。ちなみに僕の経験上、日本語レベルを“中級者”としていた外国人の多くは、ほとんど話せない人ばかり。みんな、「昔、大学で勉強していたもののほぼ忘れた」という日本人の英語みたいな状況になっていました(苦笑)。
もし、あなたがカウチサーフィンを積極的に利用していきたいのであれば、英語力は必要です。カウチサーフィンの世界では英語が基本言語です。
英語に苦手意識を持つ人は、カウチサーフィンをキッカケに奮起してはいかがでしょうか。実際、僕も、旅でカウチサーフィンなどのサービスを活用したいと思い、そのためには英語が必須ということで、フィリピンへの英語留学をしたものです。
……まあ、「英語ができないと全然ダメだ!」という感じで書きましたが、「絶対ダメ」ということもありません。基本的な英語さえ理解できれば、片言であってもきっとホストはあなたを歓迎してくれることでしょう。僕も最初はひどくて、辞書を片手に必死に英会話していました。
ホストとしては、あなたが自分にオファーをくれて、自分の国や街に訪れてきてくれたことがうれしいので、最低限の英語力と、全力でのジェスチャーができればきっと大丈夫です。まずは体当たりで始めてみましょう(もちろん、英語が話せれば話せるほど良いに越したことはありません)。
以上、僕がこれまでの経験からカウチサーフィンの魅力と留意点をまとめてみました。きっと、もっと多くの魅力や活用方法がカウチサーフィンに眠っているので、今後掘り起こしていければと思っています。
その他、カウチサーフィンを利用する上での大切な豆知識やマナーはコチラに記載があります。実際に利用する前には必ず読んでください。
また、「日本人旅行者が世界で気持ち良い旅人だ」と思ってもらえるように心がけましょう。カウチサーフィンはホストの善意が前提にあるので、
ホストへの感謝の気持ちを持って接することが大切です。
そして、カウチサーフィンのユーザーでありファンでもある僕は、カリフォルニアにいるカウチサーフィンの共同創業者ダニエル・ホッター氏を突撃訪問し、メッセージをいただいてきました(以下、翻訳:大川佑氏)。
――今後のカウチサーフィンの展望は?
ダニエル より刺激的に、より使いやすくすることによって、継続的に成長することを考えています。世界中には何十億人という人がいて、そのうちの200万人ほどしかカウチサーフィンのユーザーはいません。「もっと僕たちにできることがあるはずだ」と思っています。
――日本の若者で海外旅行に行く人が減っていることについてどう思いますか?
ダニエル 旅行は、時に多文化理解や、刺激的な経験の触媒となるはずです。日本人旅行者の減少は残念ですが、旅行で得るものはとても多いと思います。より多くの日本人に知ってもらい、使ってもらうことで、日本人旅行者が増えることを願っています。
――旅の魅力とは何ですか?
ダニエル 旅をすることで、人は新しい経験や関係性をより受け入れられるようになる傾向があると思う。それは、人々の視野をポジティブに広げるんだ。
――日本人へのメッセージをお願いします。
ダニエル みなさんにカウチサーフィンを使っていただくことは大歓迎です。僕らのサービスを利用して、刺激的な経験、そしてグローバルなホスピタリティを感じてください。そして、世の中をより良い場所にしましょう。
カウチサーフィンについて、ご理解いただけたでしょうか? 読むより慣れろということで、まずは利用してみることをオススメします。カウチサーフィンは旅にイノベーションを起こしてくれました。あとは、僕らがどう利用するか次第です。
あなたの旅行の目的は何ですか? 観光はもちろんですが、現地にいる人たちとのコミュニケーションも視野に入れてみてください。きっと今までにない刺激と楽しい時間を過ごせることと思います。
実際、僕はカウチサーフィンを利用しながら世界一周の旅を続けています。現地で働く方や、現地の学生たちとさまざまな話をすることで学べるものが多々あります。
これから行きたい国で、話を聞きたい人に聞きに行ける。そんな時代がやってきています。NPO、NGO、マーケター、コンサルタント、銀行、教師、通訳、学生、デザイナー、フリーターなど、あらゆる人たちに容易にコンタクトできるのです。きっとより一層、ワクワクドキドキする旅をあなたは経験することができるでしょう。
最後にカウチサーフィンのWebサイトにある一文で締めたいと思います。
「The world is smaller than you think(君が思っているより世界はずっと小さい)」
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