金融緩和継続期待と雇用情勢の改善を好感して堅調清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2011年04月04日 08時35分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<日経平均>9708.39▼46.71

<TOPIX>862.62▼6.76

<NYダウ>12376.72△56.99

<NASDAQ>2789.60△8.53

<NY為替>84.06△0.92

金融緩和継続期待と雇用情勢の改善を好感して堅調

 朝方発表された雇用統計は非農業従事者数の増加が予想を上回ったことから買い先行となりました。中東情勢も欧州財政不安も日本の原発の問題も何一つ解決したわけでもなく、相変わらず懸念も強いのですが、とりあえずは足元の雇用情勢の改善に反応していると言うことでしょう。ISM(米サプライマネジメント協会)景況感指数は予想若干下回ったものの特に材料視されることもなく、逆に連銀理事の金融緩和継続を示唆するような発言に反応して買い直される場面もありました。

 外部環境は決して良いと言うわけでもないのですが、景気回復が確認され、特に雇用や個人消費に改善がみられることから市場のセンチメントも上向いていると言うことなのだと思います。足元の景況感は良いのですが、逆に外部に懸念材料が多いことで、金融緩和解除を急がせることもないとの見方も出ているようです。ただ、市場参加者は比較的目先の経済指標の数字や業績動向などに敏感に反応しているものと思われます。ここからは企業決算の発表などに振らされることになるのでしょう。

 個別には新車販売台数が大幅に増加したと発表されたことから、フォード・モーター、GM(ゼネラル・モーターズ)が堅調、連れてと言うわけでもなく景気回復を織り込むようにキャタピラーやGE(ゼネラル・エレクトリック)と言った主力大型株が高くなりました。半導体株に軟調なものが多く、インテルが軟調、アップルも安くなりました。欧州金融不安も薄れ、JPモルガン・チェースやバンク・オブ・アメリカも高くなりました。

本日の相場

日経平均

 先週末の日本市場は円安となった割には輸出株などの反応は鈍く、冴えない展開となりました。週末ということで利益確定売りなども多かったものと思われますし、「日本売り」と言う懸念もあり、買い切れず、持高調整の売りに押されたということなのだと思います。大震災の影響もあって業績面から売り買いし難いこともあって、目先の需給に振らされているということなのでしょう。

 週末の米国市場が堅調となったことや為替も一段と円安に振れたことから堅調な展開が期待されます。ただ、大震災の影響もあって円安をどこまで好感して良いのかどうかが気になり、原子力発電所問題も解決したわけでもなく、上値の重い展開が続くものと思います。米国市場で半導体株が軟調となったことなどもあり、円安に素直に反応すると言うよりは引き続き指数の動きに絡む目先的なテクニカル要因での需給に振らされる動きは続くものと思います。

 9500円〜600円水準を抜けて9800円〜900円水準の節目を確認するような展開になっています。予想外の円安で指数を押し上げた感はありますが、まだテクニカル要因で戻っているだけと言う感じもあり、原子力発電所問題に解決の目処が立つまでは10000円まで上昇し難いと思います。復興期待も根強いのですが、原子力発電所問題が片付くまでは本格的な復興を期待すると言うよりは、個別企業の売られすぎの修正や復興状況を計りながらの相場展開となるのだと思います。

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