会社が知りたいのは“あなた”――「志望動機」の書き方教えます吉田典史の時事日想(2/4 ページ)

» 2011年04月01日 08時00分 公開
[吉田典史,Business Media 誠]

会社が知りたいのはあなた自身

 面接官たちが「志望動機」で見てくるのは、主に以下のようなものである。

(1)なぜ、この会社を選んだのか(なぜ、同業他社ではないのか)

(2)入社後にどのような仕事をしていきたいのか

(3)その仕事に、どういった思いや考えで取り組もうとしているのか

 これらを先ほど書いた「学生が陥りやすい問題点」の3つと比べてほしい。「学生が陥りやすい問題点」では、業界や会社のことに重きが置かれている。一方で、上記の3つは、受験する学生の考えや思いに重きを置いている。

 採用試験では、自分を売り込む必要があるのだから、業界や会社のことをどれだけ伝えても面接官の心に響かない。相手が知りたいのは、あなた自身のことなのだから。

 そこで上記の(1)〜(3)を踏まえて、サンプルを書いてみる。これは、5年前に大手学習塾に応募した学生の志望動機を私が書き直したものである。

(1)私は、講師として1人ずつの生徒の実情を見取り、それぞれの力に合わせた指導をしていきたいと考えています。

(2)貴社は学習塾の中で、もっとも個別指導に力を入れています。特に講師と生徒、保護者の3者の関係をそれぞれの室長がうまくリードしているところに魅力を感じます。

(3)私は、大学1〜3年まで集団指導の●●社で講師のアルバイトをしました。そこでは、1人ずつの生徒にきめ細かな指導があまりできませんでした。特に成績の悪い生徒には配慮が足りないように思いました。

(4)そこでそのような10人ほどの生徒のために独自のプリントを作り、それをもとに力をつけるようにしました。2年間続けた結果、3人が私立の中学に合格できました。あのきめ細かな指導を個別指導に強い貴社ですることで、1人でも多くの生徒の力を上げて保護者からも喜んでもらえるようになりたいのです。

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