なぜ「自分のことしか考えない人」は嫌われるのか?

» 2011年03月30日 08時00分 公開
[荒川大,INSIGHT NOW!]
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著者プロフィール:荒川大(あらかわ・ひろし)

株式会社ENNA代表取締役。「人的リスクマネジメント」をキーワードとして、内部統制対応の人事コンサルティング、IT統制対応の人材派遣、メンタルヘルスのカウンセリングを提供している。


 「あの人は、自分のことしか考えないんです!!」

 キャリアカウンセリングをしていても、メンタルヘルスのカウンセリングをしていても、いつも聞かされるフレーズです。上司や同僚、家族、友人、知人、取引先、パートナー……関係性によらずみなさん「悩まされている」と話されるのですが……。実際はどうなのでしょうか。

 実際のカウンセリングでは、「私自身も絶対に誰かに迷惑をかけていることはあるなあ」と思いながら対応しているので、「そうですねえ〜」と、批判の対象となっている方のイメージや、不平・不満・希望・期待などできるだけ色々とお伺いしています。批判される方の、その時の熱のこもりようと言ったら、「何かに熱中できればかなり素晴らしいアウトプットを出せるのではないか」と感心してしまうほどです。

 さて、タイトルの「なぜ「自分のことしか考えない人」は嫌われるのか?」ですが、その対象者は、本当に誰からも嫌われているのでしょうか?正直なところ、「その嫌われている方を本気で嫌っている方が、世の中にどれくらいいるのだろうか?」ということが気になるのです。

 それよりも気になるのは、こういったステレオタイプというか決め付ける言葉に、今の日本人が反応しやすいということでしょうか。この時は、「なぜ相手の人が『自分自身のことしか考えていない』ということが分かったのか」が最大の疑問で、「それだけ理解できるのであれば、対処法もあるでしょうに……」と思えてくるわけです。

 ちなみに、そう言うと、話の内容が「あの人はまったく理解できません!」に変わってしまうので、なかなか掘り下げるのが難しいのですが……。

「悩み損」していませんか?

 少し見方を変えて、もう少し考えてみます。

 世の中には、一般的に「恐い人」という方がいます。その筋の方でも、イケイケの営業部長さんでも、平日は社長さんで週末は信念を大切に街宣車に乗っている方でもそうですが、その方々を恐がらない方々もいらっしゃいます。尊敬している人の方が多いこともあります。

 その差はどこにあるのでしょうか?

 学生の就活支援の際も、「面接官だって人の親だから、過剰に緊張しないように」なんて話したりもします。

 そこで、考えていただきたいのです。

 今悩まされている人は、あなたの人生において、どこまで影響力を持つ方なのでしょうか。そして、その悩まされている人は、本当に「誰からも嫌われている人」なのかどうか。あとは、自分自身はどこを嫌っているのかどうか。最後に「どこまでその嫌っている人を知っているのか?」を考えていただきたいのです。

 「なぜ『自分のことしか考えない人』は嫌われるのか?」を考える前に、「悩み損」をしていないのかどうか、ぜひ一度考えてみていただければと思うわけです。

 「そんなことを考えてもつらさは消えない……」という声も聞こえそうですが、悩み続けて精神的に不調になって心理カウンセリングを受けても、「1週間程度会社を休みましょう」としか言われませんから、防衛策の1つといった感じで読み流していただければと思います。(荒川大)

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