先物買いで下げ渋るも配当落ちを埋めきれず軟調清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2011年03月29日 16時43分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 9459.08円 ▼19.45円
売買高 29億2170万株
売買代金 1兆7416億1000万円
値上がり銘柄 705銘柄
値下がり銘柄 865銘柄
騰落レシオ 86.48% ▼0.83%

日経平均

米国株安などから売りが先行、先物買いで下げ渋るも配当落ちを埋めきれず軟調

 米国株が日本の原子力発電所問題などを懸念して軟調となったことや、原子力発電所事故が終息するのではなく逆に悪化していることなどが嫌気され売り先行となりました。配当落ち分以上に大きく売られ、大幅安の始まりとなりました。昨日まで大きく買い越しと伝えられていた外国人売買動向(市場筋推計、外資系9社ベース)も小幅の買い越しに止まり、金額ベースでは売り越しと伝えられたこともあり、一部配当落ちとならない銘柄などを中心に買戻しが入って堅調なものは見られたのですが、ほぼ全面安となりました。

 後場に入ると下げ渋り、堅調となる場面もありました。底堅さが見られると先物にまとまった買いが入り、先物主導で買戻しを急ぐ動きも見られました。太陽光発電や代替エネルギー関連銘柄などを中心に堅調となるものも見られ、指数も下げ幅を縮小、配当落ち分を考慮すれば実質的に前日比プラスという水準まで一気に戻り、一時前日比プラス水準まで上昇しました。特に原子力発電所の動向に進展が見られたわけでもなく、復興需要を期待するでもないことから考えると持高調整の買戻しや買い直しが中心と見られ、買いも限定的となりましたが、下げ渋りとなりました。

 小型銘柄は朝方から値動きの良いものを中心に幕間つなぎ的に買われて堅調なものが目立ちました。大震災の影響の大きな銘柄が比較的少ないことなども買い要因となって、値動きの軽さを好感して目先筋の買いも入ったものと思います。東証マザーズ指数やジャスダックTOP20は大幅高、日経ジャスダック平均は大幅安となり、物色対象が限られていたようです。先物は後場に入ってからまとまった買いが見られ、指数を押し上げる要因となりました。特に材料が出て買われたというよりは買戻しが中心となったのではないかと思います。

 配当落ち日ということですが、後場に入ってから先物の買戻しや先物の持ち高を現物株に移行する動き、また電力株が売り気配で値段がつかないことから、電力株を売ったのと同じ効果があるように先物を売って、現物株を買うような動きもあり、結果的に指数を押し上げる動きとなったのではないかと思います。配当取りの手仕舞い売りが一巡となったことや先安感が強かっただけに逆に買戻しや買い直しを急がせる結果となったのでしょう。今後も原発の動向に右往左往しながら目先の需給に振らされる展開が続きそうです。

テクニカル分析

日経平均

 基準線に上値を押さえられながらも底堅い展開となっています。先週火曜日の陽線を下に抜けたと思われましたが、なんとかぎりぎりのところで下げ渋ったという感じです。配当落ち分を考慮すれば、やはり先週火曜日の陽線の中での動きであり、方向感に乏しく目先の需給に振らされているということなのでしょう。RSIは上値余地もあるのですが、上昇とならず、ストキャスティックスは上昇となっているのですが、高値圏にあり、引き続き基準線に絡みながら上値の重い展開が続くのでしょう。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.