「なぜプチプチは、プチプチしたくなるのか」
この答えに対して、川上産業の「プチプチ文化研究所」による編集公式ブックによると、「あるとつい、プチプチしたくなる行動は、心理学的には『アフォーダンス』と呼ばれています」とある。
「アフォーダンス」とは、そこにあるものに自然に反応するという概念で……見たらついついやってしまう。やらずにいられない。そういう環境やデザインや条件を備えたものを言うらしい。プチプチ(R)は、つぶさずにはいられない。子猫は、触ってわしゃわしゃせずにはいられない。非常ボタンを見ると押したい衝動に駆られる。穴があったら頭を突っ込んでみたりしたくなる。そんな人間の心理のことである。
このプチプチから学ぶ「アフォーダンス」という概念は、今後のマーケティングにとって、とても大事な気がする。「アフォーダンス」があるものにあるのは、「余白」と「予感」である。
プチプチは、気泡緩衝という機能価値から生まれた。しかし、その形とデザインには……消費者自らが突っ込んで関与していく「余白」がある。それに触れて欲求を満たしている自分=近い未来への「予感」がある。
インターネットが販売促進の核となるメディアになりつつある。インターネットは、自分から検索して情報を取りに行ける。欲しい情報は、いつでもその中にあると分かっていると、新しい情報への感度は落ちる。消費のスイッチを押すのは、どんどんと難しくなる。
そういう時代だから「なぜかしら●●したくなる」というアフォーダンス的スイッチのことを語れたり、形にしたりすることは欠かせなくなる。
ブランドの話、街作りの話、そういう固い会議のところにプチプチから学ぶマーケティング話は、良い緩衝材になるはずである。(中村修治)
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