コラム
» 2011年03月29日 08時00分 UPDATE

震災でも活躍、なぜかプチプチしたくなる「プチプチ」のハナシ (1/2)

みんなが知っている「プチプチ」の正式名称は「気泡緩衝シート」。チリの岩盤事故で作業員たちのストレス解消に役立っただけでなく、今回の大震災でも活躍しているのだという。

[中村修治,INSIGHT NOW!]
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著者プロフィール:中村修治(なかむら・しゅうじ)

有限会社ペーパーカンパニー、株式会社キナックスホールディングスの代表取締役社長。昭和30年代後半、近江商人発祥の地で産まれる。立命館大学経済学部を卒業後、大手プロダクションへ入社。1994年に、企画会社ペーパーカンパニーを設立する。その後、年間150本近い企画書を夜な夜な書く生活を続けるうちに覚醒。たくさんの広告代理店やたくさんの企業の皆様と酔狂な関係を築き、皆様のお陰を持ちまして、現在に至る。そんな「全身企画屋」である。


 みんなが知っている「プチプチ」の正式名称は「気泡緩衝シート」。あのプチプチは、名古屋にある川上産業の登録商標である。

 気泡緩衝シートを作っているメーカーは、日本に5社ほどあるらしいのだが、その中でも50%のシェアを誇っているのがこの川上産業。ホームページから抜粋すると、創立は1968年(昭和43年)。資本金は、3180万円。2010年の売上額は何と117億円。従業員数390人のすごい会社なのである。

 このプチプチは、調べてみるといろんなニュースになっている。

 意外なのは、このプチプチが今回の大震災でも活躍している件。商品自体に気泡=空気層があるので、断熱効果が期待できる……というわけで、東日本大震災の被災地にプチ支援として、プチプチを約1万8800平方メートルほど「プチプチあったか活用術」のチラシとともに物資として贈られている。

 さらに、プチプチは、あの「チリの岩盤事故で生き埋め事件」の時にも大活躍している。地底でストレスがたまるからと贈られて、脱出を果たした作業員から「日本企業がストレス解消のために送ったというエアパッキン(プチプチ)を、作業員全員が楽しんでいたと明らかにした(参照リンク)」と聞いたという報道もあった。プチプチの魅力は、世界共通なのである。

 そのほかにも、テレビ番組の実験では2歳の赤ちゃんも、動物園のサルも、プチプチを渡すと、揃いも揃って……プチプチブチブチを始めるなんていう結果を公開していたりする。

 国境も、人種も、サルか人間かも、飛び越える。恐るべしプチプチである。最近は、介護施設からたまにロール巻き単位での大量注文が入るそうで、認知症のお年寄りも結構熱中するので重宝しているという事例もあるらしい。認知症の進行防止にプチプチ。指先で達成する破壊衝動は、どうやら、すこぶる脳を刺激するようだ。

 ちなみに、この川上産業と玩具のバンダイが協同で開発した「∞プチプチ」は、何と200万個を越える大ヒットだという。この200万個販売のウラでは、「実際に試させない」というPR戦略を徹底させていたそうだ。面白いっ。見たらプチプチやりたくなるプチプチを、目の前にぶらさげて「実際に試させない」。これが「∞プチプチ」のクチコミを増やし、200万個の大ヒットにつながった。ここには深い心理作戦が動いている。

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