退職金はいくら? 公務員と民間企業で働く人の差は908万円

» 2011年03月25日 18時03分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]

 退職金の受け取りシーズンがやって来たが、退職した人はどのくらいもらっているのだろうか。60〜65歳の男女で退職金をもらった人に聞いたところ、平均金額は1873万5000円であることが、フィデリティ投信の調査で分かった。民間企業で働く人の退職金は同1701万5000円に対し、公務員は同2609万8000円。公務員は民間企業で働く人よりも、908万3000円多くもらっているという結果に。

 民間企業で働く人は「500万円未満」(16.9%)が最も多く、次いで「1500万円〜2000万円未満」(16.0%)、「500万円〜1000万円未満」「1000万円〜1500万円未満」(いずれも15.0%)と続いた。一方、公務員は「2500万円〜3000万円未満」(48.2%)と「2000万円〜2500万円未満」(21.9%)を合わせると、7割を超えた。

(出典:フィデリティ投信)

4割以上の人が退職金を放置

 退職金を元手に「株式や投資信託などに投資した」という人は37.3%。ただリーマンショック前の2008年は全体の41.4%が投資していたが、リーマンショック後の2009年以降は30.1%に減少。世界的な金融危機は退職金を使っての投資にも影響を与えたようだ。

 一方「投資をしなかった」(62.7%)人は、退職金をどのように保有しているのだろうか。「振り込まれた銀行にそのまま」(30.3%)という人が最も多く、以下「より高い金利が付く銀行に預けた」(19.0%)、「自宅近くの銀行に預け替えた」(13.7%)と続いた。この結果について、フィデリティ退職・投資教育研究所の野尻哲史所長は「投資をしなかった人の4割以上が退職金を放ったらかしの状態。もし家計に不安を感じているのであれば、金融機関を選別すべき」としている。

(出典:フィデリティ投信)

 インターネットによる調査で、60〜65歳の男女で退職金をもらった8018人が回答した。調査期間は2月1日から2月14日まで。

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