緊急時の企業サイトのあり方とは――震災後1週間を経て考えた(1/3 ページ)

» 2011年03月25日 08時00分 公開
[安田英久,INSIGHT NOW!]
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著者プロフィール:安田英久(やすだ・ひでひさ)

インプレスビジネスメディアWeb担当者Forum編集長。プログラミングやサーバ、データベースなどの技術系翻訳書や雑誌『インターネットマガジン』などの編集や出版営業を経て、現在、Webサイト「Web担当者Forum」編集長。ビジネスにおけるウェブサイトの企画・構築・運用と、オンラインマーケティングの2軸をテーマにメディアを展開している。


 大地震から2週間、先週は企業としての被災地への対応、取引先との対応、社員への対応など、バタバタと忙しかった人も多いでしょう。お疲れさまです。

 この記事では、この1週間で再認識された、企業サイト(コーポレートサイト)の重要性やそのガバナンスの大切さを整理してみました。販売サイトやマーケティングサイトのような、売上・利益に直結するサイトを重視する企業も多いと思いますが、企業サイトが企業活動にとって重要であり、そのガバナンスが重要であることは、もう疑う余地はないのです。

お客さんは何かあれば「サイトを見れば情報がある」と思って行動する

 震災以来の1週間、アクセス数が増加したコーポレートサイトと減少したコーポレートサイトに分かれるのではないでしょうか。B2Cで比較的利用者のサービス依存度が高く、震災の影響を受ける企業では、コーポレートサイトへのアクセスが増加していることでしょう。

 企業サイトというものは、すでに「とりあえずサイトを作っておく」とか「会社概要と社長メッセージを出しておく」場所ではありません。御社の顧客は、何かあれば「サイトを見れば情報がある」と考えて、状況を確認するためにコーポレートサイトを訪れます。

 営業所やオフィスに電話がつながらない状況でも、サポートセンターの稼働を縮小していても、Webサイトは動き続けています。関東がそれどころじゃない大騒ぎ状態でも、関西は通常モードで動いています。

 だから、顧客やステークホルダーが知りたいと気にする情報をコーポレートサイトで適切に出せる体制を整えておくことが重要なのです。

 また、今回の震災後に、燃料、電力、鉄道会社などでは、アクセスが一時的に集中してサイトが閲覧不可になった例もありました。一部のサイトは軽いHTMLに差し替えてアクセスできる状態になるよう対応していましたが、「何がどうなってるのか」「どうすれば問題を解消できるのか」を技術的に解決できることも重要で、そのためには情シス、制作会社の技術スキルや、ホスティング会社の対応力も関係してきますね。

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