カシオならでは腕時計、次の一手は“スマートウオッチ”G-SHOCK

» 2011年03月24日 21時31分 公開
[岡田大助,Business Media 誠]
カシオ カシオ計算機営業本部長の中村寛氏

 カシオ計算機は3月23日、スイス・バーゼルで開催中の腕時計の国際見本市「バーゼルワールド2011」の開幕に先駆けてプレスカンファレンスを実施した。大きなトピックは、1月に米ラスベガスで開催された「International Consumer Electronics Show(CES2011)」で発表した、Bluetooth Low Energyに対応したスマートフォンと通信する腕時計がG-SHOCKとして登場したことだ。

 バーゼルワールド2011のカシオのテーマは、Faces Inspired by Electronics。独自の発想と先進のエレクトロニクス技術によって、カシオならではの腕時計を提案するというコンセプトを強く打ち出している。

 例えば、1974年に発売した「カシオトロン」は、世界で初めてオートカレンダーを搭載したデジタルウオッチだった。以来、同社は伝統的な機械式腕時計メーカーが手掛けられないようなデジタルウオッチならではの製品やサービスを世に問い続けている。

 そして、2011年。カシオは「スマートウオッチ」を投入する。近距離無線技術「Bluetooth Low Energy Wireless Technology」を用いてスマートフォンと通信するG-SHOCK「GB-6900」だ。G-SHOCKらしく、対衝撃構造のボディを持ち、20気圧防水性能を備える。ボディサイズは53.2×50×18.3ミリ(縦×横×厚さ)で、重さは約65グラム。

カシオ G-SHOCK「GB-6900」(Photo by 山形豪)

 スマートウオッチとしての機能面では、CESで発表された情報からアップデートは少ない。一般的なコイン型電池(CR2032)1つを電源とし、通信機能を1日12時間使ったとしても約2年の電池寿命を実現する。

 スマートフォンの着信やメール/SMS受信を腕時計に通知する「着信お知らせ」、腕時計のボタンでスマートフォンのアラームやバイブレーションを作動する「ファインダー機能」のほか、腕時計を軽く叩くことでスマートフォンの着信音やバイブレーションを停止することもできる。プレスカンファレンスでは、中村寛営業本部長が実際にデモを披露した。

電波時計の次を行く「スマートウオッチ」

 同社では1990年代から電波時計を展開してきた。現在では「マルチバンド6(参照リンク)」として、世界6局(日本2カ所、米、英、独、中)の標準電波を受信し、自動的に正確な時刻に修正する。しかし、これらの標準電波を受信できない地域では、電波時計はただのクオーツ腕時計に過ぎない。

 常に基地局と通信し、正確なタイムゾーンと時刻を把握しているスマートフォンと連携することで、スマートウオッチは電波時計以上に正確な時刻自動修正腕時計へと進化する。これが、カシオがバーゼルワールド2011で出した「次世代の腕時計」のカタチの1つだ。

 今回発表されたスマートウオッチとしての機能は少ないが、スマートフォン側のアプリケーション次第で多くの可能性を秘めている。中村氏はスピーチの最後を「腕時計の可能性にさらに挑戦する。来年は、みなさんがもっと驚くような腕時計を紹介できるだろう」と締めた。

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