日本の復興需要期待などから買い直されて堅調清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2011年03月24日 08時40分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<日経平均>9449.47▼158.85

<TOPIX>861.10▼7.03

<NYダウ>12086.02△67.39

<NASDAQ>2698.30△14.43

<NY為替>80.91▼0.04

利益確定売りが先行となるも日本の復興需要期待などから買い直されて堅調

 朝方発表された新築住宅販売が予想を大きく下回り、調査開始以来過去最低となったことや、中東情勢への懸念からの原油高、日本の原子力発電所事故の拡大懸念、欧州の財政懸念などから利益確定売り、戻り売りが嵩んで軟調な始まりとなりました。ただ、売り一巡後は日本の復興需要に対する期待も強まり、目先筋の買戻しも交えて買い直され、堅調となりました。住宅関連の指標が芳しくなくても、景気回復傾向は変わらないとの見方も根強いようです。

 いろいろな懸念材料は見られるものの、どれもさらに悪化するとの懸念は少なく、懸念材料への反応は限定的となっています。基本的には金融緩和効果で資金が潤沢であり、リスク許容度が比較的高いこと、信用収縮懸念が薄らいでいることで、大きな下落につながっていないと言うことなのでしょう。原油や金の価格が高く、資金の回転は依然として効いており、懸念材料を一つずつ織り込みながら堅調な地合いが続きそうです。

 個別には日本の復興需要に対する期待からアルコアが大幅高、モンサントも堅調となり、金先物価格が堅調となって、パブリック・ゴールド、ニューモント・マイニングが揃って大幅高となりました。原油価格が高いことから、エクソン・モービルやシェブロンも高く、キャタピラーは小幅安となったものの、GE(ゼネラル・エレクトリック)やIBM、ボーイングなどの主力株も堅調となりました。バンク・オブ・アメリカはFRB(連邦準備理事会)が増配を認めなかったことが嫌気されて軟調となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は米国株安や前日までの大幅高の反動から売り先行となりました。それでも外国人が連日の大幅買い越しと伝えられたこともあり、寄り付きの売りが一巡となると底堅さも見られました。先物にまとまった売りが断続的に見られ、下値を試し、午後になると底堅さを確認して買戻しが入り下げ幅縮小となる場面もありました。ただ、都内の浄水場で乳児の飲料に関する基準値を超える放射性ヨウ素が検出されたとのニュースが流れると売り急ぐ動きとなり、再度売り直されて大幅下落となりました。

 本日の日本市場は原子力発電所事故の影響が懸念されるものの、米国株が堅調となったことなどから、底堅い堅調な展開となりそうです。昨日の引け際に放射能汚染の問題で売られたことで、反応しすぎた分の修正も見られるものと思います。売られ過ぎの修正から復興需要や太陽光発電、放射能関連の銘柄などがある程度集中して物色されるようであれば、指数全体の押し上げにつながってくるのでしょうが、売られ過ぎ修正一巡感が強まり、単に幕間つなぎ的な物色に止まるようであれば、指数は冴えない展開となりそうです。

 引き続き日経平均は9500円〜600円水準を中心としたもみ合いの中での動きとなりそうです。外国人が東日本から退去する中で買いが続くのかどうかも注目されますが、買いが続くようであれば9500円〜600円水準で「下値固め」と言うようなもみ合いとなるのでしょうし、続かないようであれば、9500円〜600円水準を上値にしたもみ合いとなって、下値を試す動きとなるのでしょう。当面は9000円台、特に9000円台前半から半ばでの動きが続くものと思います。

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