速報を見るため、仕事場にテレビもやってきた。NHKのUstream放送やニコニコ生放送には何十万人もの視聴者が集まった。「Ustreamってイベントの中継でしょ?」と思っていた私には、この事態は想定外だった。
もちろん、これは緊急時の特例。だがPCで地上波テレビを視聴した消費者体験は、「テレビ番組はテレビ」「インターネットはPC」という垣根を取っ払った。映画などのオンデマンド視聴が当たり前になり、個人や企業発信の“Ustream放送”が普通になる。動画情報発信時代が本格的に到来しそうだ。
女優サンドラ・ブロックさんの100万ドル寄付にはぶったまげた。「過去1年に8000万ドルを稼いだ大女優とはいえ、すごい額だなあ……」と思っていたらイチローも1億円、AKB48は5億円、久米宏さんは2億円! もちろん、大事なのは金額の多寡ではない。カネがある人はカネを、知恵がある人は知恵を、足がある人は足を提供すればいい。
寄付金の手数料を巡り、Twitterでホリエモンとフォロワーが討論する場面もあった。日本は制度上、寄付金が個人にダイレクトに渡りにくいし(団体への寄付扱い)、控除が認められる条件も限定されている。これを機に寄付・義援金を出しやすい税制・制度が導入され「寄付経済」が伸長すればいい。また、労働と対価、援助と感謝を交換する“新しいブツブツ交換経済”のNPOビジネスも広がらないだろうか。どちらも格差是正にも役立つ効果があるはずだ。
オフィスの災害の備えの乏しさを実感した人も少なくないだろう。毛布がなく、乾パンもない。自転車もない。1泊ならともかく、2泊3泊の備えはない。よれよれのビジネススーツ、蒸れる革靴とビジネスバッグでは避難もできない。今夏も続くと予想される電力制限で、ネクタイもスーツもますます衰退するだろう。
地震を受けて、社員寮の避難所化、データのクラウド化、緊急連絡網の構築、在宅勤務の広がりがあった。もっとシビアな現実は“日本脱出”。逃げ足が早かった外資系だけでなく、経済停滞が予想される市場から日本企業も脱出に拍車がかかりそう。
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