30代前半が、“ゆきづまって”いる吉田典史の時事日想(3/3 ページ)

» 2011年03月18日 08時00分 公開
[吉田典史,Business Media 誠]
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這い上がれない構造

 いまや、多くの中堅・大企業では、平々凡々とした30代前半の社員が這い上がれない構造ができ上がっている。では、この厳しい事実を踏まえたうえで、前述の下田氏に30代前半の社員はどのようにすればこの苦境を抜け出すことができるかを聞いてみた。

 「30代前半の社員には、異業種交流会などのコミュニティーに参加し、他の業界や社外の人から情報を得ることをススメたい。ネット上のコミュニティーサイトでも構わない。特に同世代で活躍している優秀な人と知り合いになると刺激になり、モチベーションも上がる。しだいに行動も変わっていき、自ずと成果につながっていく。多様な人と会うことになるので会社の同僚と話すくらいでは考えつかないアイデアを手に入れることもできる。そのアイデアを活用すれば、一目置かれる存在になる可能性も高まる。それで状況も変わっていくのではないか」。

 下田氏が強調したのは、思考がゆきづまっているときには自分に刺激を与える試みをすることである。這い上がれない構造そのものを否定したりするのではなく、むしろ、自らの意識のあり方に目を向けた方が得策だという。

 「質の高い仕事人生を送りたいのであれば、交流会などに参加すること。社外のネットワークが広がっていき、いつの間にか楽しくなっていく。いつもの顔ぶれとともに変化のない仕事人生をこのまま続けるか、現状を打破するための新しい出会いを求めて動くか、もう悩んでいる暇はないことと思う」。

 このような交流会には、私も30代前半〜後半までの間、年に数回は参加していた。そこでつかんだものがすべて生きているわけでないが、上司とのあつれきなど悶々とした思いを解き放つ場になったことは事実である。思考がゆきづまった人に、私としてはオススメしたい。

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