大阪・橋下知事が“疎開作戦”――西日本で被災者を大規模受け入れ

» 2011年03月17日 12時41分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]

 「表現が稚拙かもしれませんが、疎開です。戦時中、都市部の住民を地方が受け入れてくれました。今度は逆です。都市部が被災者を受け入れる番です。首相、国が被災者疎開大作戦の号令をかけるべき。大阪はしっかりとお迎えします。移動手段も提供するよう部局に指示しました」――。

 大阪府の橋下徹知事が、自身のTwitterアカウントでこうツイートした。

 東北関東大震災を受け、橋下知事は3月16日、被災者を受け入れるために府営住宅約2000戸を提供する考えを明らかにした。被災者や原発事故で避難を余儀なくされた人を対象に、住むところを無償で提供。また被災地から大阪までの交通手段を確保するほか、寝具、照明、調理器具といった生活必需品も準備するという。

 被災した高校生については、府内の公立高校に無試験で転入学できるようにし、3000人規模で受け入れる。さらに私立高校にも受け入れを要請したり、小中学校への転入学がスムーズにできるよう市町村に働きかけているという。

“疎開作戦”と命名

 被災者を受け入れる今回の支援について、橋下知事は“疎開作戦”と命名。大阪府と和歌山県は岩手県を担当するほか、兵庫県、京都府、滋賀県、徳島県、鳥取県も疎開作戦に参加する予定だ。

 橋下知事はTwitterで「今回のような甚大な被害を被っている被災地で被災者全員をサポートすることは無理。周囲の街、ひいては東北全体が機能不全を起こす。50万人とも100万人とも言われる被災者を、出来る限り関西、西日本に疎開させ、東北から被災者サポートの負担を軽減してあげなければならない」とツイートした。

 府営住宅の使用期間は原則1年以内(更新可)で、3月22日から受け付ける。希望者はまず電話(06-6941-0351、内線6307)をし、世帯人数や希望地域などを伝え、咲洲庁舎26階に行くか、郵送・ファックス(06-6210-9750)で申し込む。その際に市町村が発行する罹災証明書が必要(ない場合は罹災を確認できるもの)。

府営住宅の間取り例(出典:大阪府住宅供給公社)

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