コラム
» 2011年03月15日 08時00分 UPDATE

「この会社を友人や同僚に勧めますか?」――顧客満足度を測る究極の質問 (1/2)

顧客への「満足ですか?」「不満足ですか?」という問いかけは、はたして企業・組織に進化をもたらすのだろうか。筆者は顧客満足を推し量るための究極の質問があるという。

[川口雅裕,INSIGHT NOW!]

著者プロフィール

川口雅裕(かわぐち・まさひろ)

イニシアチブ・パートナーズ代表。京都大学教育学部卒業後、1988年にリクルートコスモス(現コスモスイニシア)入社。人事部門で組織人事・制度設計・労務管理・採用・教育研修などに携わったのち、経営企画室で広報(メディア対応・IR)および経営企画を担当。2003年より株式会社マングローブ取締役・関西支社長。2010年1月にイニシアチブ・パートナーズを設立。ブログ「関西の人事コンサルタントのブログ


 「あなたが、この会社を友人や同僚に勧める可能性はどのくらいありますか?」という問いが、顧客満足を推し量るための究極の質問であると言います。顧客ロイヤリティの権威であるライクヘルドは「いわゆる顧客満足度調査はそのサンプリングの難しさ、質問のあいまいさや数の多さなどによって役に立たない」と断じた上で、たった1つ、この質問をすれば良いとしています。

 その商品やサービスを友人や同僚に勧める可能性を、10点満点(0〜10点)で答えてもらい、9〜10点を推奨者、7〜8点を中立者、0〜6点を批判者としてその割合を算出します。そして、「推奨者の割合(%)− 批判者の割合(%)=正味推奨者比率(NPS:Net-Promoter-Score)を出し、これが顧客満足を測定する重要な指標であるとしました。

 米国の事例では「この数値と収益性に明らかな相関が見られる」とされる一方で、さまざまな批判もあるようですが、現状で行われている顧客満足度調査がいまひとつ使えない(顧客満足度はおおむね高いという結果しか出ない、あるいは、高いという結果を顧客にアピールする材料くらいにしかならない)という声が少なくない以上、注目してみるべき方法ではないかと思います。

この質問が優れている3つの理由

 「あなたが、この会社を友人や同僚に勧める可能性はどのくらいありますか?」という質問やこの手法は、どのような点で優れているのでしょう。

 1つ目は、「親しい人に勧めるか」という問いかけのハードルの高さ。「満足/やや満足/どちらでもない/やや不満足/不満足」から選ばせるような方式とは、レベルが違います。よくある、満足かどうかを5段階で聞くような場合、よっぽど不満でなければたいていの人は「やや満足」くらいにつけるものです。それは満足しているというよりは、「別に文句はない」といったニュアンスでしょう。そんなものを集計して「おおむね満足度が高い」という結論を導いても何の意味もありません。

 「親しい人に勧めるか」という問いは、「この商品やサービスをしっかり理解していただき、あなたの親しい人たちに勧めても通用する、損をさせない自信がありますか」と聞いているわけで、「満足」ほど簡単に付けてはもらえません。そして出た厳しい結果は、自社の商品やサービスの問題点を見出そうという動機につながります。

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