丸投げ質問は禁止すべき――京大カンニング問題から考えたこと(1/3 ページ)

» 2011年03月11日 08時00分 公開
[寺西隆行,INSIGHT NOW!]
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著者プロフィール:寺西隆行(てらにし・たかゆき)

株式会社Z会教材編集部理科課長(兼小学生コース教材担当)。幼児から大学生・若手社会人の教育に携わるZ会で、理科の教材編集に携わる社員のマネジメントと、小学生向け商材の開発担当を担う。前任はWeb広告宣伝・広報・マーケティングなどを担当。大学生の「自分創り」をサポートする株式会社レイズアイ立ち上げプロジェクトメンバー。


 3月10日は2011年東大入試(前期)合格発表日。京大も同日ですね。弊社Z会でも合格おめでとうの輪企画(参照リンク)を通じて、お祝いの気持ちをお届けしています。

 今日をいいタイミングと思い、「本当に子どもの学力を伸ばしたいと思うなら」というアドバイスを書きたいと思います。

 タイトルで何のことかバレているかと思いますが(苦笑)、国公立大学前期入試(2月25、26日)以降、京大入試カンニング事件のニュースがマスコミを騒がせました。毎日RTでは5日連続トップ記事。毎日RTは読者の興味関心に連動する新聞なので、世間がとても興味を持ったニュースだったと言えます。

試験時間中にYahoo!知恵袋に投稿された京都大学の入試問題

 ニュース速報まで出る騒ぎに、「マスメディアもそこまで過剰報道するな」「世間をあおって……」的なコメントもネット上に残されていましたが、メディアは世間の興味関心を届けるのが仕事の1つ。かつ、テレビの場合、100%と全体のパイが決まっている視聴率を競争し、視聴率でCMの価格が決まるビジネス構造になっている以上、より世間の興味関心に合わせざるを得ないのは否めません。

 もちろん、マスメディアとしての矜持(きょうじ)も持ち合わせてほしいですが、そうとばかりも言えないほど世論が見つめてしまったニュース、ということは、単なる批判屋にならないために、我々が理解しておかなければいけません。

 閑話休題。カンニングしようとしたということ、インターネットというツールを使ったということ、それぞれも話題のタネですが、僕が「世の中はどう見るかな」と思って動向を注目していたものの1つに「丸投げ質問をどう見るか」があります。

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