信用収縮の動きや中国貿易赤字を嫌気する動きなどから大幅安清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2011年03月10日 16時10分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 10434.38円 ▼155.12円
売買高 19億4731万株
売買代金 1兆3717億8900万円
値上がり銘柄 158銘柄
値下がり銘柄 1436銘柄
騰落レシオ 99.32% ▼13.93%

日経平均

米国株安や商品相場安に見られる信用収縮の動きや中国貿易赤字を嫌気する動きなどから大幅安

 米国株が軟調となったことや海外市場で商品相場が下落、欧州金融不安もあって信用収縮からリスク資産からの逃避の動きなどを受けて売り先行となりました。外国人売買動向(市場筋推計、外資系9社ベース)は買い越しと伝えられ、寄付きの売りが一巡となった後下げ渋る場面もあったのですが、明日の先物・オプションSQ(特別清算指数)算出を控えて手控え気分の強いなかで持高調整の売りも嵩んで下げ幅拡大となりました。

 昼の時間帯に中国の貿易統計が発表され、輸出入共に縮小し11カ月ぶりに貿易収支が赤字になったことから、中国景気の拡大鈍化が懸念され、また、都心部のオフィス空室率が上昇となったと伝えられたことも売り材料として取り沙汰する向きもあり、手仕舞い売り、持高調整の売りを急ぐ展開から一段安となりました。さすがに10400円水準を意識すると売り急ぐ動きも一段落となるのですが、買い手控え気分は強く、買戻しも限定的で戻りは鈍く、戻りの鈍さを嫌気して見切売りも嵩むと言う展開となりました。

 小型銘柄も見切売り、手仕舞い売りに押されるものが多く、買戻しが入り難いだけに指数の下げも大きくなりました。日経ジャスダック平均はそれでも軟調と言うレベルで下げ渋りとなり、東証マザーズ指数とジャスダックTOP20は大幅安となりました。先物は3月限月が最終売買日と言うことで、まとまった売りが散発的に見られて指数を下押す場面もありましたが、大きく方向付けるように断続的に売りが出るということでもありませんでした。

 節目と見られる10500円〜600円水準を割り込みましたがまだ10400円水準であれば許容範囲、下値目処の下限と言う水準だと思います。本日の相場も何が売られたということでもなく、信用収縮的なうごき、持高調整の売りが中心となっていたものと思われ、先物・オプションのSQを機に新たに持ち高を増やす動きが見られるのかどうか明日や週明けの相場が注目されると思います。買い戻しも交えて、週末・週明けにしっかりと買いが見られれば本日のこの水準や明日の寄り付きが底値となる可能性もありそうです。

テクニカル分析

日経平均

 上昇となった基準線に上値を押さえられるように調整となりました。かろうじて遅行線が日々線にサポートされており、日々線も雲を意識するところでもあり、底堅さは見られると思います。遅行線が絡む日々線が上昇してしており、サポートされながら戻りを試す動きとなるのではないかと思います。遅行線が日々線を割り込むと日々線が雲にサポートされて底堅さは見られるのでしょうが、戻りも鈍くなってくるのでしょう。

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