原油価格の上昇の景気への影響を懸念する動きなどから売りが優勢清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2011年03月08日 08時43分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<日経平均>10505.02▼188.64

<TOPIX>941.63▼13.96

<NYダウ>12090.03▼79.85

<NASDAQ>2745.63▼39.04

<NY為替>82.24▼0.06

原油価格の上昇の景気への影響を懸念する動きなどから売りが優勢

 朝方は週末のヘッジ売りの買戻しやM&A(合併・買収)に絡む話題などが好感されて堅調となっていたのですが、リビアでの戦闘が激化しており、欧米の軍事介入が取り沙汰され、また、原油価格の高騰からのガソリン価格の上昇などの景気に与える影響などを懸念して売りが優勢となりました。半導体業種の投資判断の引き下げもあって売り急ぐ場面もあり、一時大幅下落、ナスダック指数は最後まで大幅下落となる水準での動きとなりました。

 引け後に発表された消費者信用残高でもクレジットカードの利用の落ち込み昇が景気=個人消費などに与える影響が懸念されているものと思います。雇用の改善は見られるものの、今度は個人消費回復を確信するまでに至らず、中東問題や投資判断の引き下げなど目先的な悪材料に敏感に反応してしまっているようです。ただ、景気回復の度合いは問題となっても、今のところ回復自体までが問題視されるということでもなく、底堅い堅調な展開となって来るのだと思います。

るようにしてIBMやアップルなども軟調となり、ハイテク銘柄は軒並み安となりました。ギリシャの格下げや景気回復鈍化が懸念されて金融株も軟調なものが多く、JPモルガン・チェースやバンク・オブ・アメリカは軟調となり、GE(ゼネラル・エレクトリック)は小幅高となりましたが、アルコアやキャタピラー、フォード・モーターなど景気敏感株も軟調となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は週末の米国株安や原油高を嫌気し、大幅高の反動もあって売り先行となりました。外国人が買い越しとされたこともあり、寄り付きの売りが一巡となった後は底堅さが見られる場面もあったのですが、先物にまとまった売りが出ると見切売りを急ぐ動きもあり、軟調となりました。後場は上値の重さを嫌気して見切売りが嵩み、一段安となる場面もありましたが、さすがに節目と見られる10500円を割り込んだところでは買い戻しも入り、下げ幅を縮め、10500円水準での底堅さを確認した格好となりました。

 米国市場が軟調となったこともあり、日本市場も引き続き下値を試す動きとなりそうです。それでも為替などの落ち着きもあり、底堅さも見られるものと思います。世界的にインフレ懸念が強まっているのですが、日本ではまだインフレ懸念というところまでいかず、まだ企業業績の回復を織り込んでいるところでもあり、実際に原油の供給がストップするとか、原油高の影響で新興国などの景気拡大のスピードが鈍化するということがない限り底堅さは見られると思います。米国市場で半導体業種の投資判断の引き下げもあり、日本市場でも半導体関連銘柄への売りが懸念されます。逆に資源株などは底堅い、堅調な展開も期待されます。

 引き続き10500円〜600円水準での底値固めという展開だと思われます。10400円台では買いが入るという状況が見られるのかどうかと言うところですが、10400円前後までは許容範囲と見ておいて良いと思います。底値固めということで、10500円前後の水準は保てるのではいかと思います。底堅さを確認して10500円前後の水準を保てれば、また上値の節目となる10800円〜900円を目指すことになるのでしょう。

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