原油高を嫌気して利益確定売りや手仕舞い売りが嵩む清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2011年03月07日 08時48分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<日経平均>10693.66△107.64

<TOPIX>955.59△6.90

<NYダウ>12169.88▼88.32

<NASDAQ>2784.67▼14.07

<NY為替>82.30▼0.14

雇用に明るさの見られるなか、原油高を嫌気して利益確定売りや手仕舞い売りが嵩む

 注目された雇用統計は失業率が予想に反して改善、雇用者数もほぼ予想通りと言うことで特に懸念されることにはならず、景気回復が雇用にまで及んでいると確認されたのですが、リビアの騒乱が拡大していること、それに連れて原油価格が上昇していることなどが嫌気されて手仕舞い売りを急ぐ場面もあり、軟調となりました。芳しくない決算や金融機関に対する投資判断の引き下げなどに反応する動きとなったことも指数を下押す要因となりました。

 足元の景況感は決して悪くないので下値を売り叩くような動きはないのですが、原油高の影響が懸念されることから手仕舞い売りを急ぐ動きとなったものと思います。原油高の影響で新興国がけん引する世界経済の拡大スピードが鈍化し、米国景気の回復を鈍らせるとの懸念と同時にインフレ懸念から金融緩和の「出口」を探る動きになって来るのではいかのと懸念も出ているものと思います。ただ、基調は景気回復を織り込みながら強含みとなっているものと思われます。

 個別には投資判断の引き下げのあったシティグループは大幅下落、ゴールドマン・サックスも軟調となり、連れてJPモルガン・チェースやバンク・オブ・アメリカも軟調となるなど金融株は軒並み売られました。前日の引け後に発表した四半期決算が予想を下回ったことからマーベル・テクノロジー・グループが大幅下落、連れてインテルなどハイテク銘柄も手仕舞い売りも嵩んで軟調となるものが多く、雇用の回復が確認されて出尽くし感もあり、GE(ゼネラル・エレクトリック)やHP(ヒューレット・パッカード)なども軟調となりました。前日の引け後に年間配当の引き上げを発表したウォルマートや新型高機能携帯端末への期待からアップルが堅調となりました。

本日の相場

日経平均

 先週末の日本市場は米国株高を受けて大幅高となりました。ユーロが高くなったことや原油価格が上げ一服となったことも好感されたものと思います。週末の手仕舞いの売り買いが交錯する中で外国人も買い越しと伝えられたことや週末の米雇用統計が堅調となりそうだと言うことで買戻しを急ぐ動きもあったものと思います。物色対象は絞り切れずも値高調整の売り買いが中心となったのでしょうが、景気回復期待も強まって売り難かったということでしょう。

 週末の米国市場が軟調となったことや週末の大幅高の反動から軟調となりそうです。足元の景気回復、業績回復は引き続き期待されるものの、中東や北アフリカ情勢への懸念も根強く、積極的に買い上がると言うよりは利益確定売りを急ぐ動きとなりそうです。ただ、先週も持ち高調整の売り買いに振らされた面が強く、持ち高調整の売り買い、つまりは目先の需給要因に振らされる展開は続くものと思います。持高調整の売りが一巡となれば好業績銘柄を素直に買い直す動きになるものと思われ、円高一服も素直に好感する動きとなるのでしょう。ハイテク銘柄や資源株などの底堅さが期待されます。

 日経平均は先週末は10500円〜600円水準での底堅さを確認して上値の節目と見られる10800円〜900円水準を目指す動きとなりましたが、週末の米国市場が軟調となったこともあり、再度10500円〜600円水準での底堅さを試す展開となるのかもしれません。いずれにしても持ち高調整の売り買いが一巡となるまでは10500円〜600円水準を下値、10800円〜900円を上値としたもみ合いは変わらないと思います。先物・オプションSQ(特別清算指数)や決算などで持ち高調整の売り買いが一巡となるのかどうかのタイミングを図ることになりそうです。

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